欠点はいろいろあったと思いますが、でも、よかったと思います。
あったかいともヌルいとも言える世界の中で、
それなりに悩んだり傷ついたりしながらお互いを思いあう主人公とヒロインを
見守るような感覚でプレイするゲーム。
まず、その時点で人を選ぶと思いますが、個人的には好みでした。
作中に『まるで少女漫画のようなキレイな世界』という言葉が出てきましたが、
それはこの作品全体に当てはまると思います。
こういうのもフィクションでならありだと思います。
○シナリオについて
テキストは一部日本語として不自然な部分が目につきましたが、
それ以外はよかったと思います。
個性的ながら嫌味を感じさせないキャラのセリフ、
時としてなかなか深い雪兎君(主人公)のモノローグ、
随所にライターさんのセンスを感じました。
ただ、個別ルートに入ってからも共通部分が多く、
終盤の展開も大同小異だったのはやはり残念でした。
ヤマ場が雪兎君中心の問題なのでそうなってしまうのは
仕方ないといえば仕方ないのですが。
○ビジュアルについて
絵柄は好みだし、塗りも絵柄にあってたと思います。
ただ、一部のイベントCGや立ち絵にデッサンの乱れが目につきました。
特に巨乳キャラに顕著で、この原画家さんは並乳までにしておいたほうが
いいんじゃないかと思いました。
○キャラクターについて
みんなそれぞれ魅力的だったと思います。
個々の人柄や心情が丁寧に描写されているおかげで、
基本的に好みでないキャラにも魅力を感じることができました。
声優さんも磐石。
ネーミングはこりすぎでは。
○音楽について
とてもよかったです。
BGMだけで30曲以上となかなか力入ってます。
エンディングにも歌があればもっとよかったかも。
○システムに関して
オートモードの改頁速度が変えられないのは残念。
その他は選択肢のオートセーブやキーボードのショートカットなど、
必要充分以上のものがそろってたと思います。
その他、双子が個別攻略不可とか紬がバッドエンド扱いとか、
回収されないままのネタ・伏線がいくつかあるとか、
エロが控え目とか、
雪兎君がかわいいパジャマを着せられるシーンで立ち絵が対応していないとか。
いろいろあるとは思いますが、
プレイしてよかったと思えるタイトルでした。