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cf3さんの古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~の長文感想

ユーザー
cf3
ゲーム
古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~
ブランド
Yatagarasu(八咫鴉)
得点
90

一言コメント

謎が解ける快感

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

攻略サイトを見ずにやろうとしたら前半の紅茶ループで9時間、その他もろもろで計40時間ほど費やす結果となってしまった。それだけにエンディングを迎えた時の感動は一入。点数高めなのも攻略難易度から来る満足度を反映。

以下に感想を簡潔に

▼良かった所
・ゲームシステム。オートセーブの為、思った場面を見たければフローマップにおいて運命量を消費し跳躍しなければならない。取っ付きにくく初見殺し。それに合わせシュタゲのフォーントリガーと用語辞典を組み合わせたような分岐方法。前半は苦痛で苦痛で、もう紅茶を淹れるのが嫌になるが、それが後半あのような形で生かされるとは思わなかった。車輪でお姉ちゃんの存在を知った時位の衝撃を受けた。痺れた。

・シナリオ。散りばめられた伏線を回収しながら、解きほぐすように狂った運命を正す。プレイヤーさえも巻き込みか細い一本の道を渡る様子にハラハラしっぱなし。そして結末──

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「この運命を一日に変換すれば、23時59分59秒は、辛く苦しい時間だったかもしれない……」
「でも、この一秒に辿り着いただけで、私は幸せだ」
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もうほんと、プレイ中断して投げようと何度も思った。だけど残り1時間、最後に至る道程は至福の時間であり満足出来るものだった。楽しかった。

▼悪かった所
・ゲームシステム。まさに諸刃の刃、紙芝居ゲーに慣れた人にこれは辛い。UIも決して洗練されたものではない。

・CG。鏡の世界で待つ一葉の顔がET化など残念なものが目立つ。

・音楽。紅茶喫茶が舞台という事でシンプルなものが多い。好きな曲がある一方で合わないものも。ボーカル曲も一曲と少なく、せめてエンディング用に一つ落ち着いた曲が欲しかった。余韻に浸る時間が少なくて残念。