敗北エロが抱えるジレンマに対する一つの答えかも。一つだけ残念な点を挙げるなら、慣れてるストラテジーゲーマーにとってはあっさりしすぎてつまらない可能性があることくらいか。
敗北エロの何が嫌なのか。同人エロゲで経験したことがある人なら理解できるとは思うが、エロシーン見たさにわざと負けるときの虚無感にほかならない。本作の主人公である姫は一応最強の駒ではあるものの、軍師、そしてトロフィーとしての役割が強く、エロシーンは国のために命を懸ける兵士へのご褒美と鼓舞(資金調達もあるけどw)のためにある。ゲームとエロの美しい相補関係。処女クリアなんて「処女でありえたかもしれないが現実ではこんなに淫乱になってしまった」ことに興奮するためのネタに過ぎないですからね。
振り返ってみると思ってたより淫乱堕ちものらしくないことには驚いた。ご褒美エッチを最初に提案された時も拒否感というよりは驚きの方が強い印象だし、戦果を挙げた兵士との顔見せでもまんざらでもなかったりするし。まあでも気持ちよさそうにセックスにハマっていくの様子はエロかった。特に良かったのは騎士との2度目以降のスローセックスで、菓子をつまみながらニヤニヤ眺めるのが乙なものだった。
個人的な気付きとして、催眠がメインではなく添え物だと催眠時/非催眠時のギャップの参照元が増えてお得、というものがあった。術者に対する態度のギャップだけではなく、術者以外とセックスしてる時の様子と催眠セックスの様子の比較が生じて二度おいしい。他の相手に対してはチョロいといってもあくまで「そこそこ」だったのが、催眠にかかるとくそチョロくなるのにはめちゃくちゃ興奮した。今までヒロイン催眠ものは音声作品と漫画で軽く触れていたくらいで、音声作品では竿役は基本的に一人だし、エロ漫画は一人のヒロイン×様々な竿役を扱ったものが少ないため気付けなかったが、女主人公セクハラ系の同人エロゲだと割とよく発生するシチュエーションなのだろうか。
最後に、欠点として挙げられそうなプレイ時間の短さ(1周2時間くらい)、難易度の低さについて。姫がご褒美エッチするという設定上、短期決戦であることにはそれなりの説得力があるように思う。中出しされて妊娠してナンボという状況で長期戦とか、勝利してなお戦いを求めるのはどうかしてるでしょ。私はストラテジーゲームに疎く、ストラテジーゲームで戦い続ける動機がよくわからないため、あまり突っ込みたくない話題ではある。難易度の低さについては、こんなチョロい姫が難局を切り抜けてたら解釈違いというのと、股間のジョイスティック握りっぱなしでもそれなりに考えてれば負けないくらいの難易度がちょうどいいのでは?という擁護をしてみる。作業ゲーにならない程度の難易度ではあるし、ルールがシンプルなおかげでストラテジーゲームとしてはかなり直感的に操作できるのも、慣れていないプレイヤーにとってはありがたかった。
もう一つだけ、エンディング分岐に関して。普通にプレイしてたらあまり起こらないであろう状況だが、父親が戦闘で死んでいた場合や父親が娼館の客だった場合に王/姫のリアクションがあったらなと思わされた。