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callretorutoさんのノラと皇女と野良猫ハートの長文感想

ユーザー
callretoruto
ゲーム
ノラと皇女と野良猫ハート
ブランド
HARUKAZE
得点
96
参照数
349

一言コメント

ガワは全然等身大じゃないけど、中身は等身大の少年少女を描いた作品。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

等身大の少年少女というワードがある。誰が言い出したのか知らないがまあとにかくある。
大抵の場合こういうウリ文句をつけられている作品のキャラクターは等身大の少年少女だ。
ウン、まあそりゃそうだ。
往々にしてそういう作品は学生や若者らしい悩みを抱えている。それが等身大の少年少女と言われればそうなのだろう。
しかし待って欲しい。俺たちが少年少女の時、そんなことを実際に悩んでいただろうか?
みんなもっと若い時にはアホみたいなことを考えてアホみたいな話をしてアホみたいなことに真剣に悩んだはずだ。
自分が悩んでいないことを等身大とか言われても、全く心には刺さらないのである。


前置きが長くなった。そしてこの作品。「全く全然等身大じゃない」
さっきまでの前置きはなんだったんだ。
冥界の人間やらガイコツやらロボットやら犬やら猫やら何でも出てくる。
ギャグは過激だしクラスメイトの小柄な女の子は超強い戦闘力を持ってる。こんなものを等身大の作品なんて言ったら等身大の神様にバチが当たるだろう。(等身大の神様って何?)

でもそんな現実離れしてて、ぶっ飛んでる彼らが纏っているガワを剥ぐとそこにいるのはどこまでも等身大の少年少女で、その若さ故の悩みにこれ以上ないぐらい誠実に向き合った作品。
ちょっとポエムはクサいけど、若者だったらそれぐらいはオッケーだろう!