ErogameScape -エロゲー批評空間-

cafe_artfulさんのeuphoriaの長文感想

ユーザー
cafe_artful
ゲーム
euphoria
ブランド
CLOCKUP
得点
84
参照数
1189

一言コメント

「EVE burst error」になり得た作品。 しかし色々と完成度が低く惜しい・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

主人公や合歓視点で見れば、フローリィルートがない「エリュシオン」、あるいは、最終ルートによる解決が存在しない「I/O」、もっといえば「Eve burst error」の縮小版のような感じ。世界の設定が特殊すぎる上、描写が不足しがちのため、かなり不完全燃焼。 シナリオや世界設定の完成度としてはこれらにどうしても劣る。



ただし叶視点があることで、単なる劣化版にとどまらない魅力もある。まるで「デアボリカ」におけるアズライトの憂鬱とか、「最果てのイマ」の貴宮忍くんの絶望と同じような話として楽しめた。「エロゲー製作者が自分の作ったエロゲーのキャラを好きになれるか」問題とも言えるかも。さすが「えろげー!」を作った会社だと思う。



叶およびその組織がやってることは「Extravaganza」の西教授に似ていて悪虐非道そのものであり、叶の結末についても本来同情の余地など微塵もないくらいが本当なんだろうけれど、そこいらのマッドサイエンティストな感じがあまり強調されなかったのは少し残念。 いろんな描写が省略されてしまっているため、今ひとつ物語が盛り上がらないのだよね・・・。



個々の要素は光るものの、それがひとつの作品としてきっちりまとまり切ってるとは言えず、楽しみきれなかった。とてももったいない作品。




このゲームで一番好きな人物は梨花。どのルートでも一番楽しい人物でした。
梨花>>>叶>>合歓>>>>凛音=委員長>鼻フックさん という感じ。
梨花は「囮物語」の千石撫子みたいなキャラクターを持っている。
いわゆるバカ(By 貝木泥舟)である。
バカ故に、ほとんどのルートでは悲惨な結末になり、それはそれで楽しい。
自分のルートではこのオバカさがまっすぐな行動につながっていて好感と
ひとつぶで二度美味しいキャラクター。