綺麗なグラフィックの割には簡素な絵と、ケータイ小説レベルのストーリー
推奨メモリは1.5GB以上とのことだが、4GBでも結構厳しい。最低でも8GBは欲しい。
つまりノートPCや一体型PCでやるのはあまりお勧めできない。
高性能なPCでプレイする分にはグラフィックも綺麗だしムービーも凝ってるし、プレイ環境は良い。
ただゲームのBGMと、ムービー・アイキャッチの音量がどうにもアンバランスで、全てに置いてちょうど良い音量というのが設定出来なかった。そして全体的に音量が小さめだったのも気になる。
修正ファイルを何度も配布し、その修正ファイル自体にも多分に問題がある、というシステム的な難を多く抱えた作品。肝心のお話しだが・・・
全体的に「それっぽいお話し」をしているだけだった気がする。
設定も粗いし、CGと音楽で盛り上げようとはしているが肝心の内容はケータイ小説並の薄っぺらさであった。
(以下盛大なネタバレになります)
とにかく設定が粗い。はるかとかなたは双子だけど男女の双子なんだから100%二卵性双生児。遺伝子の一致率は普通の兄妹並みなのだし、移植に適合出来るかどうかなんて調べてみなければ分かりません。
そして腎の疾患も確かに数多くあるが、移植の適応になるのは末期の腎不全のはず。移植どうこうの話をする前にまず透析をして欲しい。
そしてはるかが腎疾患なのにかなたの免疫不全が臍帯血で治療可ってのが最早意味が分からない。腎性貧血はエリスロポエチンの分泌不足によって起きるのであって、そこに造血幹細胞を移植してもしょうがないのでは。
こういうことを「細かいこと」として見逃しているからこそ、お話がケータイ小説っぽくなる。
もちろんケータイ小説にも良い点はいくつもあって、ケータイ電話という手軽なものでいつでも何処でも手軽に読める点は他の媒体にはない強みである。
だが、それと同じレベルの話を、いくら絵や声が入っているとはいえ8,800円+税で売られている、クリアに数十時間かかる作品でするべきではないと思う。