「学園」という舞台設定が完全に足を引っ張っていた
江戸時代というより時代劇のオマージュであり、史実関係なしに様々な時代劇ヒーローを模した登場人物が出て来る。
しかし時代劇の世界はなにぶん小悪党を成敗していく痛快活劇が多い為、時代劇ヒーローを増やせばそれだけ小悪党も増えてしまう。
気付けば物語を通してもう何人になるか分からないぐらいの小悪党・チンピラ・不良が出て来て、大江戸学園がエリート学園であるという話が根っこから揺らいでいる。
更に将軍だの執行部だのと政治の話が出て来るが、やはり学園である以上真剣になれない。
学園なんて長くても6年しかいない場所。金儲けぐらいはその間にやってくれても構わないが、政治活動なんて卒業したら何にも残らないし。
民が餓えるだのとの話が出て来たところで、学園なんだから「辞めて本州に帰る」という選択肢が当然あるわけで、悲愴感や切羽詰った感じというものが伝わって来ない。
執行部で圧制強いている人、執行部の政治に対して反乱を起こした人、みんな下手すれば一年足らず、長くて二年で卒業になりそうだし。そこまで話を大事にするべきなのかという根本的な疑問が拭えなかった。
これらは舞台を近未来の島の学園ではなく、江戸時代の江戸という本来の形にすれば良かったわけで、何故敢えて変化球を投げて来たのかが分からない。
学園を出した割には学園描写がほとんどないし、失礼な話登場人物も学園生ぐらいの年齢には見えないし、服装もそう。学園にこだわらなければならなかった理由が全くない。
本筋のストーリーは良い、悪いを論じる以前の問題であった。