伏線の回収・ストーリーの盛り上がり・キャラの濃さ・BGMすべてにおいて高水準にまとまっている作品
処女作といってもプルタブのスタッフが集まったからもはや新参のメーカの出来で評価するべきではない。しかし、色眼鏡なしでもかなり面白い作品といえるだろう。
・ストーリー
6話までが共通で7話からが個別に入る構成。ただし、ルートにはアマリ・ジゼル→リノレノ・ニーナ→エレガノ・フレアルージュという制限がある。そしてルートが進むにつれて謎が明らかになっていく構成でもある。最初の2人のときは謎が多々あり最後の2人の時にはすべて解決するという全員クリアでストーリーが完全に把握できる仕組みである。この仕組みが非常にうまく機能しており、全員クリアした後の納得感は満足できるものである。
難点は謎が多いまま、次のシナリオに進む必要があるため、謎だらけで進む形になっている点である。特にジゼルは伏線が多く、キャラも割かし無口なため、ちょっと退屈であった。
・キャラ
ヒロインのキャラの濃さはかなり良い。6人という多いヒロイン数だが全員がキャラが立っており捨てキャラがいない。先陣をきるフレア、ムードメーカーのニーナ、解説役のアマリ、ロリババアのリノレノ・無口キャラのジゼル、お嬢様キャラのエレガノ。6人全員の立ち位置がはっきりしており、また個別ルートに入り恋人同士になるとキャラ独自のギャプがあり非常に良いキャラ設定だといえる。
・CG
たけやまさみ氏の絵はとにかく肉体的である。なんか質量があるというか絵だけで活発的なイメージがわいてくるのである。この点は過去の作品から続いており、絵の崩れもなく安定しており満足できる点である。
・BGM
PULLTOP時代のBGMがそのままある感じ。BGMはすべてにおいて高水準で雰囲気をよく表している。
・総評
名作といって文句はない。丁寧に作られているし、最近では見かけない王道ファンタジーで冒険もしている。しかし、あまりに完成されているため先が見えてしまっているのが残念である。(この領域に入っているだけで十分だといえるが)もしこの完成された状態から先に行くことができればさらに面白いこれこそ神ゲーという領域に入ることができると思う。