世界設定のせいで・・・
結論から言うと良作。
世界観・キャラの心理描写等悪くないですし、シナリオも伏線回収が無理矢理ですが悪くありません。しかし世界設定に強引に合わせようとする感じがシナリオに出てしまっているのが残念でした。
名作にいたらない理由は真世界編にあります。
梗香・琴良・さくらルートでの伏線を回収する真世界編なのですが、設定がかなり邪魔していてかなり無理矢理感があった回収でした。
特に八代がTAKUMAに変わったあたりからが凄い勢いで、「スフィア」という言葉の連続・仮想のヒト・など世界設定とのイメージを強調させるための無理矢理感が顕著だったと思います。
あと「リョウコ」の役割が思ったより薄かったことが残念です。ポジション的にはココみたいな場所にいたのに意外にもあっさりしてカタハネの感じを期待してしまった自分にはひどく残念に感じられました。
主人公は龍護が空気でしたね。というよりも八代はともかく十丸の存在が濃すぎなため余計にそう感じられました。龍護は最後の3人の中にも入っていなかったし。(TAKUMAが割り込むとは)
ただ世界観・キャラの雰囲気は非常に良くキャラのよさは十丸・梗香ペアは非常に好印象でした。設定云々よりも2人の心境・環境の変化、お互いの想う気持ちがシナリオに上手く出ていたからだと思います。あと琴良のシナリオは設定と上手くあっていたのですが、梗香の前にやるとネタバレの連続でつまらなくなるところがマイナスですかね。
前作の「カタハネ」の場合ははっきりとした主人公がいないことが「ココ」というキャラの良さを最大限に出していたのに対し、今回の「ぼるしち」は主人公を複数にしてその3ペアを中心に物語を発展させていくという感じだったのですが、世界設定との相性もあって今回は、それがアダとなってしまったと思います。
とはいえ面白かったんで次回作に期待です。
今度は主人公が一人のほうがいいのかもしれません。