1/2 summerのライターということで最初から期待せずプレイした。そして案の定の出来だった。
1、システム関連
タイトル画面が存在しないシステムはストレスフル。もしかしたらチラシ配りのイベントを強く印象付ける意図によるものかもしれないが良い印象を持たないのでNG。設定変更で変えることもできるがどちらにしろCG等の閲覧について困惑させられるのは変わらない。またSEが五月蠅く苛立ちを非常に感じた。
2、シナリオ全般について
前作から感じていたがこのライターは「通常の」倫理や常識を持ち合わせていないのだろう。公式では『学校に泊まろうADV』とのことだが、『学校の至るところでセックスしようAV』の間違いではないだろうか?衆人環視の中だろうが何処だろうが盛る。頭の中にはセックス以外ないのであろうか?幼馴染みと恋人の違いの話が作中にあったが、私としては恋人とセフレの違いについて真面目に考察して欲しいところである。
このライターは日常系の制作には関わらず、凌辱関連に携わるのがいいと感じる。尤も大事な部分の描写をするという基本をしないので、何を描こうとも酷いことにしかならないであろう。そもそもこの物語にとって重要な部分の描写は極めて少ない。CG閲覧にある断片的エピソードにはメンバーとの出会いに関するものがある。だがその描写は所詮おまけであって皆無と言って差し支えない。そもそも描くのであればおまけ扱いせず、きちんと作中で触れられるべき部分である。
1日を追加する設定についてはほとんど活かせておらず、文化祭の1週間(長すぎ)で話がほぼ全て集約されている窮屈さが楽しさを生み出せていない。建てた設定に自縄自縛になっている。
ところで十和子ルートの『向こうほうから透き通るような戦慄が響いてきた』という文章は、この短文の中に誤字・脱字を兼ね備える名文以下略。
3、各キャラ感想
A、桜織
存在意義を感じないキャラその1。
B、十和子
存在意義を感じないキャラその2。可愛いがそれだけ。女子にモテる扱いだが、可愛らしいボイス・恥ずかしがりな性格・女の子らしい立ち居振る舞いを考えれば、むしろマスコット的な扱いになると感じる。
C、抄
存在に疑問しかないキャラ。個別ルートの変貌は唖然とする他なく、個別ルートを踏まえると共通や他ルートの言動が不可解。
D、ちあら
展開のご都合主義に呆れるキャラ。時間を増やす設定がほぼ唯一機能しているがラストには開いた口が塞がらない。生み出された直後であるほど神社との繋がりは強固にしか思えない。
E、ななみ
ルートロックがあるななみの話がメインシナリオであろう。
しかしながら先の通り重要な場面に関する描写がない。百歩譲ってサブヒロインの出会いに関してはおざなりであってもいいが、こなみとのエピソードがななみルートは勿論のこと他のヒロインですらないのではお話にならない。物語の核心に関する伏線がなく急に湧いた問題を急展開で解決しただけである。
また、こなみの死に対する主人公の感情も描かれていないのは頂けない。必ずしも全ての読者が身内の死を経験しているわけではない。加えてゲーム開始時点において主人公は幽霊のこなみとは明るく日常会話をしている。これではこなみの死を真摯に捉える読者は多くはないだろう。