メインヒロインの名前が「ルナ」であり、主人公の名前が「○星」であり、そして女装潜入モノ。「月に寄りそう乙女の作法」にそっくりだからきっと名作だと思い込んで現実逃避を試みたが林檎が酸っぱすぎて無理だった
0、主人公・琉星について
失言を繰り返す、鈍感と難聴という没個性、卑怯極まりない臆病者、セックスの時だけ積極的、場所も弁えず盛る、つまりポンコツ。
琉奈にとって『世界一格好いい男の子』らしいけど、いったい何処が?
1、シナリオ構成について
シナリオはまず、琉奈&琴音、雪乃&七海、かれんの3つに分かれる。
・無難に入れ替わりを続けた果てが琉奈&琴音
・多少代役を放棄すると辿り着くのが雪乃&七海
・正体をさらさら隠す気がない結果がかれん
琉奈&琴音以外の展開における琉星の言動はもはや滅茶苦茶と言える。影武者としての自覚はないようだ。琉奈の元の交友関係より広げる必要がある為、多少は致し方ないが、目に余る言動が散見される。
2、個別ルートについて
(a)琉奈
そもそも設定上、女装して入れ替わる必要性を全く感じなかった。その為単に好きな琉星と一緒に居たくて嘘を混ぜたというのは拍子抜けするものの納得した。琉星が実の兄弟ではないかという悩みはあっさり解決して拍子抜けするとともに意気消沈した(粧子の台詞からして検査結果に関して嘘を吐いた可能性は高いが結局触れられず終了)。
またトモとかいう邪魔キャラは完全に不要。気色悪いだけ。
ところで
『
琉奈「琉星には……―――琴音の方が似合うよ」
琉星「それは俺が決めることだよ、琉奈」
』
というシーンはギャグだろうか?琉星はここに至るまで何も決めず流されるままであった。琉奈ルートへの分岐は、婚約を解消され琴音を諦めたからであって、琉星が決めたわけではない。それでこのセリフでは片腹痛い。
(b)琴音
琴音はとても可愛いが、どこでもいつでも盛る琉星さんが本当に……。婚約解消の話は結局解決を見ないまま終了してしまう後味の悪さも相まって総じて楽しめたとは言い難い。
またトモとかいう邪魔キャラは完全に不要。気色悪いだけ。
(c)雪乃
一言で言えば、気持ち悪い。
幾つもエロゲをプレイしていれば、馬の合わないヒロイン、嫌いなヒロインには出会うものではある。しかし、心の底から気持ち悪いと感じるヒロインに出会うことはそうそうないだろう。
残念ヒロインやアホの子と呼ばれるヒロインはエロゲ問わず多く、私はこの手のヒロインはむしろ好みである。それなのに雪乃の言動にはただひたすらに嫌悪感を抱かされるのみであった。
(d)七海
個別冒頭の『付き合って』に関する勘違いには愕然としたし、事情をきちんと説明してない展開に不快感を覚えた。しかし、七海自身が私の好みに合っていたこともあり、また男であることだけ明かして入れ替わりのことを告げていないのもそういうシナリオであるから耐えられた。
ただし、クライマックスにおけるペットの『たるる』の点だけはそうではない。琉星と琉奈に対して七海が不信感・警戒感を抱くのは無理もなく、その為2人と共に逃げるのを拒否するのは致し方ない。しかし、たるるが発見される事態を七海が敢えて招くなど言語道断であろう。捕まえられた場で名乗り出なかった結果、行方不明になった初代たるるのことを考えれば、たるるを連れて逃げようとするのが自然な感情であろう。このような不自然な展開をし、そしてあのような横紙破りな解決策など甚だ呆れてしまう。
(e)かれん
途中までは普通なのに、終盤では唐突かつ独創的な展開が繰り広げられる。夢でも見ていたのかと悩む程度。話についていけず、唖然、茫然のまま終了。