ユルい軍隊学校モノ。意外と面白かった
・小作
全員クリアに10時間もあれば終わる。
30時間くらいに作り込んでくれ、とは思わないし、
5時間に縮めてくれ、とも思わない。
設定、キャラ、シナリオ、といったモノが、
小さなレベルでまとまった作品だと思う。
・ミリタリー性
行軍訓練・戦車演習といったイベントが、短いながらも一応ある。
迷彩服の立ち絵があり、「17時」を「ヒトナナマルマル」と表現する。
軍事用語は無難に自衛隊をベースにしていて、そこそこ出てくる。
そうした、何と言うか、最低限のミリタリー性。
物語とつりあわない説明地獄も、違和感を覚えるツッコミどころもない。
戦車の主砲を校舎に打ち込んで、数日間の謹慎処分で済む場面がある。
この1シーンくらいで、不真面目というか、突き抜けたギャグノリは少ない。
・テキスト
強固な主人公一人称視点で進むので、かなり速い。
ヒロイン視点でイベント>それを主人公視点で咀嚼
みたいな繰り返し性がない。
「かくかくしかじか」みたいな短縮表現も多用される。
回りくどさが一切ないし、ボカすような描写もない。
簡単な話を、そのまま簡単に表現していくテキスト。
これが、個人的に好みに合った。
・シナリオ
キャラクターが前面に出たドタバタ劇。
コメディーというほどに笑いはない。
展開の速さ、スピード感を楽しむシナリオだと思う。
恋愛劇すら、すごい速さで進んで終わる。
何故、何時、どのように好きになったのか。
そうした恋愛的5W1Hに気を配ったシナリオではない。
・絵/音
男キャラの立ち絵が小学生の落書きレベル。
女キャラはそれほど悪くないけど、中にはヒドいCGもある。
ドタバタ展開で曲がドタバタ調に変わったり、変わらなかったりする。
そうした作り込みの甘さが、かなり目立つ作品。
・補足とか
水着とか下着とか、そういう絵がない。
非18禁ではあるけれど、エロさは薄いというか、無い。
作り込みも甘く、なによりボリュームがない。
テキストの速さとか、声のマッチングとか、良いところも勿論あるけど、
コストが満足感を左右すること、他作の比ではないと思う。
フルプライスはナメているし、普及版でもまだ高い。
ワゴン価格ならおススメしたい一本。