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boningenさんの真・恋姫†英雄譚 5 ~乙女耀乱☆三国志演義[魏]~の長文感想

ユーザー
boningen
ゲーム
真・恋姫†英雄譚 5 ~乙女耀乱☆三国志演義[魏]~
ブランド
BaseSon
得点
55
参照数
187

一言コメント

前作と比較すると様々な面で一歩劣る。シナリオに相変わらずの安定感は存在するが、このシリーズ最大の特徴であったプレイ時間の長さが失われてしまっているのは痛い。

長文感想



・シナリオ

プレイ時間は9時間と短い。
前作の「真・恋姫†英雄譚 4 ~乙女耀乱☆三国志演義[呉]~」は12時間だったので、大幅に減少してしまっている。
ここまで短い作品は同ブランドでは「真・恋姫†英雄譚1[蜀]」以来でした。
この作品も9時間でしたので、プレイ時間だけで言えば最低値に並ぶ程の短さと言えるでしょう。

内容に関しても前作と比較すると緊迫感に欠ける場面が多く、先を気にさせるような展開は皆無となっている。
また本シリーズでは蜀のみ制作されない方針の為か、本作品では蜀陣営が多数登場するのだが、これの影響でただでさえ少ない席が蜀に奪われており、魏としては中途半端な作品となってしまっているのも痛い。
不憫な扱いを受けている蜀陣営への救済という方針そのものは歓迎すべきところだが、それによって他が疎かになるようでは本末転倒と言える。
これでは何のために蜀を切り捨てたのかわからなくなってしまう。

数少ない褒められる点としては、恋姫シリーズで初めて南蛮の地がしっかりと描かれている点となる。
これまで南蛮勢はあちらから来るのみで、此方から南蛮に赴く事は無かったので様々な面で新鮮でした。
特に南蛮の村がしっかりと背景付きで描かれていた点は大きい。





・声

唯一気がかりであった田豊演じる花澤さくらの声優が変更されていなかった点は大いに評価しています。
2022年3月31日付けで引退している事を考えると一年以上も前に収録を終わらせていたという事になるので、これには驚くほかない。
もしくは持ち役に関してのみ引退後も個人的に活動しているという事だろうか。
であるならばQruppo辺りは大喜びで起用を継続しそうなものだが、あれ以来そういった事が一切ないので可能性としては薄いか。
個人的には後者であると非常に嬉しいのですが。





・音楽

新規楽曲なし。

前作で唯一の新規楽曲であったOPは本作品でも使いまわされている。

EDは新規楽曲ではないが歌手のみ変更されており、本作品では曹操演じる乃嶋架菜が担当している。
前作では孫権演じる風音が担当していたので、順当にいけば次回作のEDを担当するのは董卓演じる木村あやかとなるのでしょう。





・システム

前作から変化なし。












・総評

プレイ時間が短いため低い点数としているが、このプレイ時間としては平均的な点数を付けているつもりなので、恋姫シリーズを読んできた方ならば購入しても良いかと思われます。