全盛期のサガプラを彷彿とさせる素晴らしい作品。
ツイッターにも感想は投稿しているが、文字数制限により色々と省略しているためこちらにも投稿。
基本的にはこちらに投稿した内容を圧縮したものをツイッターにて投稿しているので、時間のない方はツイッターを、時間のある方はこちらを読んで頂ければ幸いです。
SAGA PLANETSはここ最近良い作品が出ておらず非常に残念に思っていたが、それを一蹴する力のある作品でした。
砕いてきな私個人の過去作品の評価としては、「ナツユメナギサ」と「はつゆきさくら」のみ評価しており、それ以外は凡作といったところか。
シナリオは所々に伏線が張られており、読み進めるに従って徐々に謎が明かされる作りとなっている。
従って止め時を見つけることを難しく感じるほどに面白い作品です。
また登場人物との掛け合いも面白いものが多く、適度に男性キャラも登場するため展開の幅も広い。
メインの登場人物は服装毎に髪型も変更されるため、当初の髪型では魅力的ではなかった人物が魅力的に見えるようになることもある。
登場人物数自体も比較的多めだが、適宜交流が広がってゆくため名前を覚えられず困惑するといったこともない。
共通パートの長さは標準的で丁度良い長さとなっている。
また個別パートごとの展開に被る部分が一切ないため退屈さを感じることも無い。
この個別パートでは地味に重要な点として、登場人物が露骨に減少しやしないかという部分が上げられるのだが、本作品ではそういった事は一切なく、共通パートと比較しても遜色ない賑やかさが維持されている。
ほとんどの作品では共通パートが面白くとも、個別パートに入ると極端に登場人物が減少してしまい、肝心な賑やかさが欠けてしまう残念なものが多い。
しかも単純に登場人物が減ってしまうという事はつまり、その後の展開がどう変化しようと、出てくるのはヒロインか主人公だけとなってしまうという結果に繋がっている。
それではその後の展開そのものが簡単に予測できてしまったり、そもそも似たり寄ったりな場面が連続するため飽きがきやすく、端的に言ってつまらない。
本作品ではそういった事がなく、全体を通して面白いというのが素晴らしい。
この点は高い得点で評価している大きな要因の一つと言えるでしょう。
個別パートの量としても標準的。
そしてどの個別ルートでも一貫していかに格好良く生きてゆくか、という部分に焦点が置かれており、悩みながらも前進してゆく主人公に考えさせられる場面も多い。
現在の自己と照らし合わせ、今後改善してゆこうと思わされる事もしばしば。
そういった読者への問い掛けの強い作品でもあるので、人によっては強く影響を受ける作品となるかもしれません。
私自身、とても現状では格好良く生きているとはお世辞にも言えない生活を送っている為、今後は心を入れ替えて格好良くあれるよう努力しようと思わされた。
言うは易く、行うは難しとはよく言いますが、それを簡単に実行できていないあたりが、既に今の惨状そのものを物語っているような気がしなくも無いですが。
ただ本作で問いかけられる「格好良く生きる」というのは、実際に格好良くあることが重要なのではなく、そうでありたいと願う気構えこそが真に重要だということを指していると思われるため、仮に失敗したとしても恥じることではないのかもしれません。
メインの登場人物はどれも非常に魅力的で、攻略順に迷ってしまうほど。
普段であれば一つの作品では大抵1~2人程度しか魅力を感じる登場人物はおらず、残りは完全攻略のための消化試合の様相を帯びることも多い事を考えると、これはとても珍しい。
テンポ良く読み進めることが出来た最たる理由ではないかと思われます。
BGMや音楽は平均的。
特別良いと感じる曲は日常パートで使用された「落ち葉の散歩道」以外にはありませんでした。
物語後半ではシリアスな場面が増えるため、この場面で流れる曲で特別良いと感じる曲がなかったのは残念。
この作品の特筆すべき点としてOP映像があり、これまでに感じた秋色恋華でのOP、efでのOPに次ぐ衝撃を受けました。
流石に衝撃の度合いとしては秋色恋華を越えるものではなかったが、それでも3Dにすると違和感を覚えがちなアニメ調の絵をあそこまで立体的に違和感無く見せる手法には驚かされました。
またそれ以外にも全体的に映像と音楽がよく合っており、これだけでも一見の価値があります。
公式サイトにて再生することが可能なので、是非ご覧頂ければと思います。
システム周りは解像度を変更せずに全画面化や全体音量の調整といった基本機能は完備。
強いて欠点を挙げるならマウスカーソルを剣から変更出来ない点とskip速度が遅い点ぐらいか。
逆にお気に入りのボイスを登録する機能はマウスジェスチャよりも使い所のある機能かなと思います。
総じて非常にバランスの良い作品であり、サガプラに落胆していた人もエロゲ初心者にもお勧め出来る作品となっています。
読んで良かった、まだ終わらずに続きを読みたいと強く思わせる数少ない作品でもあるので、もし少しでも興味を持たれたのならば迷わず購入することを強くお勧めします。
拙い長文にも関わらずここまで読んで下さり、有難う御座いました。
2020/10/23 一部加筆修正(拙い文章や誤変換の修正)