前作よりもギャグは控えめ。特にノブチナルートではシナリオ自体読み応えがあって驚いた。少しだけ方向性が変わってきているように感じる。
購入前からこんなに期待していた作品はここ最近だとランス以来かもしれない、と思うほど楽しみにしていた作品。
ちなみに前作のノラとと1の感想は投稿していないが全攻略済みで得点としては95点。
前作と同様の出来であれば同じ点数にするつもりだったが不満点があるため少し減点しています。
減点した最たる理由としては黒木未知の登場頻度に尽きる。
何かしらの事情があるのではと勘繰ってしまいそうになるほど登場頻度が少ない。事前に公式HPで公開されていた情報でも留学という文字が指し示すとおり、一人だけ別行動を取っているようで基本的にはいない者として扱われている。
前作でも特に気に入っていた人物なだけに残念でならない。何かしらの事情があったのであればそれを事前に公表しておいてくれればまだ良かったのだが。
その他にも、これはシナリオの性質上仕方がないのだろうが、アイリス等の新規キャラクターが他のルートでは一切登場しないという点も残念。
賑やかさこそが重要な作品なので、これでは非常にもったいない事態となってしまっている。
また、これは事前によく調べておかなかった自分の落ち度だが、前作ヒロインルートのアフターストーリーの尺が予想以上に短かったので少し拍子抜け。
アフターストーリーとあるように、あくまでおまけ要素のようなものなので過度の期待は禁物。
夕莉シャチの一部ルート上の音声が鼻声になっていた点も仕方がないこととはいえ残念です。
良かった点としては、前作同様の読みやすいテンポで進んでゆくシナリオ。相変わらず良いBGM。前作よりも控えめだがそこらに散らばるギャグ要素。
特にノブチナとアイリスルートのシナリオ部分では前作のギャグとノリだけで突っ切った内容とは違いしっかりと読み応えのある内容だったので、ただのギャグ要素だけのブランドではなくなっているように感じる。
ギャグ成分が薄まっているように感じたのはこの要素が影響しているのかもしれない。
特にノブチナルートはよく出来ており、前作のシャチルートに相当する位置づけのルートとなっている。
本来であれば結ばれそうにない主人公との関係を非常に上手くシナリオで誘導し、ノブチナらしいと思わせる自然な流れで恋仲とさせる様は見事という他にない。
ルートのシナリオそのものもよく出来ており、また終わり方も非常にきれいなものとなっている点も高評価。
BGMではないが、予約特典の特製CD-BOXに収録されているピアノアレンジが素晴らしく良かった。個人的には作中のBGMよりもこちらのほうが好み。
また新規作成されている背景についても、明らかに前作よりも予算の掛けられた立派なものとなっていた。
前作では平凡な域であったのに対し、本作品では平均よりも上の綺麗なものが多い。
総評としては続編というよりは誰とも結ばれなかった先のIFを描いたような作品ですが、前作と同系統の面白い作品となっていたので、前作を楽しめたのならば迷わず購入される事を強くお勧めします。
ここまで読んで下さり有難う御座いました。多少なりと参考になれば幸いです。