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boningenさんの真・恋姫†英雄譚 123+PLUS ~乙女艶乱☆三国志演義~の長文感想

ユーザー
boningen
ゲーム
真・恋姫†英雄譚 123+PLUS ~乙女艶乱☆三国志演義~
ブランド
BaseSon
得点
75
参照数
179

一言コメント

悪くは無いが期待していたほどではなかった。一部何故この武将が選ばれたのかと不満に思う部分もあり、文章量や大まかな部分では満足しているにも関わらず低い点数となっているのはその為。

長文感想





・シナリオ

文章量は全体で見ると多いので満足しているが、123を一纏めにする際に追加されたPLUS部分については短過ぎると感じた。
また国によって文章量に大きな差が生じてしまっているのも残念。

参考までに個別プレイ時間を記す
 ・蜀   9時間
 ・魏   12時間
 ・呉   14時間
 ・PLUS  2時間

文章は相変わらず読み易い。
これまでの恋姫や革命と同等の質となっている。

革命を全て読み終えた後にプレイしたが、やはり評判通り革命の後日譚に近いものとなっていた。
何故これを革命よりも先に発売したのか理解に苦しむ。
内容が革命の後日譚に近いものとなっているにも拘らず発売順が逆となってしまっている関係か、革命とは矛盾する描写も散見される。
そもそもどのルートからの派生なのかすら定かではない始末で、読み始めた当初は当惑させられた。

この辺りは深く考えず、そういうものなのだと割り切り世界観を楽しむことで飲み込むことが出来たが、改めて考えるとやはり無視できない問題でもあるので減点要素の一つとなっています。

内容としてはただの平穏なその後を描くだけではなく、一波乱含んだものとなっていたので読んでいて退屈に感じることは少なかった。
ただし蜀のみ例外となっており、国主である桃香の物語が存在せず蔑ろにされていることに不満を覚え、愛紗の物語にしても蜀の物語である必要性を一切感じない展開に酷く落胆させられた。
革命や無印でもそうだが、何故こうも蜀ばかり酷い質になってしまうのか不思議でならない。
これが最大の減点要素となっています。

最後にこれは些細な点だが、呉でのみ漢字の読み間違いが気になる場面が存在し、"大提督"を"だいていとく"と複数の人物が読み間違えていたのは残念でならない。
収録に不手際があったのか、台本にルビが振られていなかったのか、原因は定かではないが三国志を扱う作品としては非常に残念な読み間違いだったので強く記憶に残っている。





・絵

可もなく不可もなく。





・音楽

新規楽曲はOPの1曲のみ。
他は全て過去作品からの流用となっているので評価不可。

同じくFDである「萌将伝」ではあれだけの新規楽曲が存在していた事を考えると新規楽曲がOPの一曲のみというのは侘しいものがある。
既に十分な楽曲が存在しているとはいえ、少しは新曲が欲しかった。





・システム

いくつか気になる点は存在したが、そのほとんどは変更可能となっていたので不満に感じるほどのものではありませんでした。
気になった点としてはまず全画面時の解像度が1280となっている部分。
次にオリジナルカーソルとなっているという部分ですが、どちらもシステム環境設定にて変更することが可能となっている。
また初期設定のフォントであるメイリオでは文字が小さ過ぎて読みづらくなっていたが、HGSゴシックEへ変更することで事なきを得た。

唯一残念だったので飛ばす事の出来ないEDムービーについてのみ。
毎度ほぼ同じEDを見せ付けられるのは苦痛でしかない。

これはシステムに書くべきか音楽の項目に書くべきか迷ったのですが、音楽鑑賞画面にて曲名の横に引用元の作品名が追記されている仕様は素晴らしいと感じました。
革命では何故この方式を採用されなかったのか不思議でならないほど。












・総評

恋姫の世界観が好きな方ならば楽しめるが、そうでもないという方の場合は退屈に感じる可能性が高い。
特に注意されたいのが無印には登場していない新規武将が多数登場しているので、先に革命をプレイしておく事を強くお勧めします。