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boizdomさんのカミカゼ☆エクスプローラー!の長文感想

ユーザー
boizdom
ゲーム
カミカゼ☆エクスプローラー!
ブランド
Clochette
得点
90
参照数
284

一言コメント

エロゲに異能バトルモノを組み合わせたようなエロスと厨二心を同時に満たしてくれる良作。妹は激かわいいが好みが分かれそう。

長文感想

■概要とか
クロシェット5作目であり、中でも人気が高い本作。私がクロシェットにハマったのもこの作品でした。
エロゲに異能バトルモノを組み合わせたようなエロスと厨二心を同時に満たしてくれる良作。
おっぱいも安心のクロシェットボリューム!全く隙がないですね。
またクロシェットらしく立ち絵がコロコロ動くので何気ないシーンも見ていて楽しい。

■キャラクター

◯主人公
メティスと呼ばれる異能の才能を見込まれ、澄之江学園に転校してくるところから話がはじまる。
ゲーム開始当初ではメティスには目覚めていないが、話が進んでヒロインたちと触れ合っていくうちに覚醒、強化されていくので
その成長過程が少年漫画のように厨二心を強く刺激してくる。
考察好きというだけあり賢く、おかげで一人称視点の文章はテンポが良く、とてもストレスフリー。
ただし恋愛については童貞なので多少くどいところも。


◯まなみ
今回の妹様。まず実妹ちゃんと見ていいかと。
お兄ちゃん大好き子いいですね。終始お兄ちゃんへの思いが見え隠れというか全く隠れていないが、本人は隠しているつもりなのが大変かわいらしい。
手持ちのメティスのとおり、まっすぐな性格なので見ていて気持ちのいい性格。
一方で他ルートでも好意全開ながらヤキモチ焼きで主人公に干渉してくるシーンが多々あるので、鬱陶しく感じる人もいるんじゃないかなぁと。
実妹ということもあり、かなり好みが分かれそうなキャラクター。もちろん俺は好き!


◯風花
クラス委員の純粋無垢キャラ。優しく可愛いくて面倒見がよい、そしておっぱいがでかい、と男の妄想を具現化したようなキャラクター。人気投票も1位!
それだけにエロゲではありがちなキャラクター像だが、「アイギス」という絶対防御という少女には似合わないメティスで差別化している。


◯琴羽
幼馴染キャラ。幼馴染も色々あるが、いわゆる男友達タイプ。久しぶりに再開した男勝りなあの子が女の子らしく成長していて…というテンプレ設定からスタート。
部活には入らないものの、風花やまなみとも関係が深く、友達思いなキャラなので他ルートでもよき友人キャラとして活躍する。
まなみとは逆でルートに入るまでほとんど好意を表に出さないが、そうじゃなかったらもっと人気が出てたんじゃないかなぁ。


◯美汐
<アルゴノート>のリーダーであり、学園スポンサーの代表的グループである祐天寺家のお嬢様。
お嬢様キャラといってもよくある高飛車タイプではなく、実際はむしろ弱気キャラをなんとか強く見せている、という珍しいタイプのキャラクター。
年下ということもあり、内面と外面のギャップから共通ルートからなかなか保護欲の掻き立てられる。また付き人2人もサブヒロインながら他のメインヒロインにない役割をうまく補っていて侮れない。
メティスの<プロミネンス>は炎を発生させる能力。もともと汎用性が高い能力だが、美汐自身が使いこなしているため、作中でも色々な活用法を見せ、実に厨二心をくすぐられる。


◯沙織先輩
風紀委員、特別班班長でひとつ上の先輩。ロリ枠。風紀委員キャラっぽく校則に五月蝿いが、校則にないことならば案外ゆるい一面もある。そして必ず一人はいるちっぱいキャラ。(あくまで相対的にだが)
問題解決のためにメティスを振りかざす<アルゴノート>が風紀委員会と対立しやすいため、その絡みでちょくちょく登場する。
序盤こそしっかりもので近寄りがたい、という印象が強いが、メティスの通り"影"のある一面もあり、容姿と合わせて庇護欲をいい感じで刺激してくる。

■ルート攻略順推奨
ルートによって"真相の明かされ具合"がだいぶ違うので徐々に明らかにしたいタイプは下記の順で遊ぶことを推奨。

琴羽→まなみ→風花→美汐→沙織先輩

もちろんかっちりこれというわけではなく、多少前後しても全く問題ない。

■ルート感想

※こっからはプレイ後に読むことを推奨

◯まなみ
他のルートもだいたいそうだが、なんやかんや主人公とヒロインくっついて、アルゴノートの活動の中で学園の闇に徐々に触れていき、最後はヒロインと主人公の活躍でめでたし、という展開。
クロシェットの妹らしく、近親相姦がどうとかそういう葛藤はほぼない。
珍しくセカンド設定が登場しないルートなので拍子抜け感はあるが、安易にセカンドに覚醒して全部解決!としなかったのは逆によかったかもしれない。


◯風花
センターヒロインらしく割と無難な展開。悪くないが他に良いルートが多いので相対的に凡作に見えた。
こちらも設定がそこそこ未消化に終わるので、風花ルートを最後に遊ぶと拍子抜け感があるかもしれない。風花が"助かった"理由もプレイヤーの解釈に投げる感じだったし。。
また風花だけが主人公に惹かれる理由の説得力が薄いような。キャラクターが可愛いだけに色々もったいなさがある。


◯琴羽
シナリオ全体のメイン活動である<アルゴノート>に加入しなかった時点で不遇ヒロインかー?と思ったが、遊んでみるとコレはコレで良い。
琴羽はもちろん各メンバーが自分の能力を生かしながら情報を打破していく場面は普通に面白かった。
もちろん琴羽の能力や主人公の活躍シーンもしっかり描かれている。代わりに物語の核心にはほぼ触れないが、それ以外にはきっちり時間をかけた印象。
他ヒロインの過干渉と付き合い始めのテレイチャがちょっとしつこくてダレたがまあこれは好みの範疇だろう。


◯美汐
ルート初期から後半までこれでもかというぐらいメティスという設定が生かされていて最も"カミカゼ"らしいルート。主人公もバッチリ活躍する。
もともと強力なメティス故に、最後はインフレ感がすごいのでそこだけ少し強引だったかな。

◯沙織先輩
他ルートは基本的にアルゴノートを中心として活動するので、色々なヒロインが絡んでくるが、こちらは風紀委員会が中心となるため控えめ。(あくまで比較的、だが)
その代わりヒロインとの絡みが多め。また、「アンブラ」を通しての能力鍛錬やそれにまつわるメティス考察が個人的にお気に入り。
何より物語の核心へ最も迫っていて、ある意味本命ルートだった。シナリオとしては最も良かった。



■まとめ
エロゲ✕異能バトルという設定だけで既に面白いがテンプレートやジョーカー、何よりセカンドといった"可能性"の提示が絶妙で
一つルートを終えるごとに「次のヒロインはどんな能力を魅せてくれるのか、そして主人公はその能力をどう活かすのか?」と楽しみながら攻略することができた。
ルートを総括して見ると大体は最後はピンチの時に都合よくさらなる能力に目覚めて解決!!!というゴリ押し感はあるものの、一応それぞれの能力やその背景に沿った解決策を見せてくれるのでどのキャラクターも最後の展開を楽しめた。
クロシェットで一番好きな作品。