不幸を重ね続ける小説でした
最近のエロゲ作品とは少し趣きが異なる作品で、まさに本を読んでいるような作風でしたね。
体験版時の引きの良さをどう展開していくのかと期待したら、自分の期待していた痛快で逆転ハッピーエンドな展開ではなく、ひたすら陰鬱で不幸を重ね続け、その中で折り合いをつけつつ前向きになろうというお話。
途中、展開は中だるみしつつも終盤にさしかかるにつれ意外性のある真実を提示してきますが、どうしても会話劇であるため進行に工夫がなく演出力不足な感じが否めませんでした。
シナリオの締めくくりは一応まとまってはいるものの、登場キャラはすべてシナリオライターによって踊らされる作品なので、主人公への感情移入もできませんし、ヒロインへの愛情もなかなか生まれにくいと思います。エロゲとして売るための都合で付け加えられたようなエロシーンなど、キャラクターコンテンツとしての側面でいえば駄作と言えるでしょうね。
ていうかシナリオライターは不幸な少女の物語を書きたかっただけなんじゃ…。特に妃は救いがないですね。妃ちゃんファンからすると納得できないかもしれません(猫並感)
こういった作風を嫌う人もいるでしょうが、だからこそあえてこの作風で勝負をしたこのブランドの意欲とシナリオの熱量は評価したいとは思います。ただ、およそ初心者向けとは言えませんね。
しかし、最近の似たようなテンプレ型の恋愛エロゲに飽き飽きしてる人にはおすすめしたいですね。
そして、このゲームをプレイし終わったあとに、何も考えず、癒しと萌えと幸せなイチャラブ恋愛ものをやると、一層瑞々しくイチャラブが尊いものだと実感できます(笑)
余談ですが、立ち絵設定ミスとか誤字など演出面の不具合が非常に目立ちます。修正パッチ出した方がいいと思うんですが。