魅力のある残念系主人公
残念系主人公と言えば、もはやラノベの代名詞だろうか。
「はがない」や「俺ガイル」に代表され、ハーレム物を構成する上で実に都合のよい設定である(オタ心理にもジャストフィットさ!)。
これらに嫌悪感を持つユーザーも多いわけだが(俺とか)、「僕が天使になった訳」の主人公は一味も二味も違う。
厳密にいえばラノベの残念系主人公とは異なっているのだが、主人公「桐ノ小島巴」は魅力持った稀有な残念系キャラクターである。
彼の魅力について端的にまとめてしまえば、彼が「残念系」というものを極めてポジティブに捉えているという点に集約されるだろう。
結局のところ、ラノベの残念系主人公とはどこまでいってもコンプレックスの裏返しである。これらが総じて「主人公のリア充化」のストーリーで構成されているのが何よりの証拠であろう。(このプロセスには何の説得力もなく、欺瞞でしかない。ラノベの気持ち悪さを助長させている一因である。)
対して桐ノ小島巴であるが、彼は残念系であることを一切恥じていない。より正確にいえば、何の意識も持っていない。極めてニュートラルである。
己にコンプレックスが無いため、他人を僻み、攻撃することが無い。これがどれほど素晴らしいことであるかは言うまでも無いだろう。
リア充にコンプレックスを抱えた「非リア」とリア充を見向きもしない「非リア」は全く異なる。彼らに桐ノ小島の爪の垢を煎じて流し込んでやりたいものである。
シナリオ展開応じてややぶれていく面もあるが、まぁ、それは仕方が無い
そうじゃないと話進まないし