ErogameScape -エロゲー批評空間-

bichigusoさんのパルフェ ~chocolat second brew Re-order~の長文感想

ユーザー
bichiguso
ゲーム
パルフェ ~chocolat second brew Re-order~
ブランド
戯画
得点
90

一言コメント

まるねこ三部作では一番出来が良いと思う、名作です。主人公の情けなさにマイナス10点

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まず驚いたのは、頭数合わせキャラだと思って最初に攻略した明日香の萌え度が高かったこと。
明日香の小悪魔的な、しかし明け透けな計画が微笑ましい。
ヒロインの中では一番の巨乳ですしねえ。
他ルートではヘタレ度が高い仁もこのルートでは文化祭で恰好良いところを見せます。

次に攻略したかすりさん、なんとなく誘うような流し目の立ち絵が色っぽいんですよね。
冒頭で駆け落ち同然に連れてきたキャラでもありますし、始めたときからから進展が気になるヒロインでした。
年上キャラなんですがお姉さん然としても可愛げの方が先に立つ人で、放っておけないキャラですね。
また大変な努力家でもあります。
クライマックスのマイクで暴露合戦は(悪い意味で)身悶えしてしまってクリックするのが辛い状態になりましたが、それ以外は良好なシナリオ。

ここまでやって気付いたのですが、このゲームには捨てキャラがいないのではないか。
全クリした後に考えてみても6人もいる割にヒロインの平均値がとんでもなく高いゲームでした。

由飛の即興歌、最初は聞いてたんですけどね、その内苦痛になってきて…飛ばすようになっちゃいました。
告白が失敗に終わりそうになったときも本当になんだこいつはと思わなくもなかったですが、なんだかんだでやっぱりパッケージヒロインでしたね。
つまんない恋のボーカル版EDは由飛だけでしたから。
お陰でEDを迎えたときの達成感もそれなりに高いものがありました。

そして由飛と対の存在になるカトレア。
良キャラ揃いのパルフェにおいても一番は彼女です。
生真面目系ツンデレは本当に良いものです。
照れ隠しみたいな下らない理由でツンツンしてるキャラは悪い言い方をすれば本当のことを言わない「ただの嘘つき」ですからね。
誠意や理屈も通用しません、信頼関係を築くのは困難です。
しかしカトレアのタイプは筋を通せば筋で返してくれるし、自分の非も認められる。
まあ要するに自分に甘いか、自分に厳しいか、という差でしょうか。
このシナリオラスト付近の里伽子が提案する作戦も痛快です。
いくらカトレアが可愛いからといって、いやだからこそ自分より仕事を取る選択をされたら不愉快にもなります。
それに対するお仕置きをする、何という胸のすく精神的復讐でしょうか。
仁がヘタレな故に逆に物理的に手痛いお返しを食らってしまうことになるのですが、そういうときの暴力は許容範囲です。
しかしセックスのときに彼女の望む言葉一つ言ってあげられないなんて本当に仁は駄目男ですね。

まーねえちゃんこと恵麻さん。
こういうダメっぽい年上キャラ、好きなんですわ。
そして曲がりなりにも共に育った義姉弟、初めてするときは背徳感でドキドキです。
この初体験とロッカールームでするシチュエーションが凄くエロかったですね。
わざわざ実家でいたすのは正直どうかと思いましたが…。
未亡人が処女であるのもちょっとやりすぎかと思いました。
仁のブラコン兄貴本当は女に興味無かったのかな、と相対的にますますキモい人評価に。

最後は里伽子でした。
これまでの疑問点や伏線が収束する、総決算といえるシナリオ。
トゥルーEDと被ってネタバレになってしまうノーマルEDの存在価値に疑問を感じないでもありませんでしたが、明らかになっていく真実に引き込まれてしまいました。
不幸やすれ違いを演出するのにこういう手もあるのかあ、と感心することしきりでした。
アヘ声が上手でないためキャラという点で魅力的には劣るのですが、やはりこのシナリオあってこそでしょう。
ラストで子供を自分の手で抱いているところで、製作側の狙い通りにやっぱり感動してしまいますしね。