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bichigusoさんの千の刃濤、桃花染の皇姫の長文感想

ユーザー
bichiguso
ゲーム
千の刃濤、桃花染の皇姫
ブランド
AUGUST
得点
88

一言コメント

花あかりのネタバレ含む

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

AUGUSTのゲームとしては最高得点を付ける。
ただシステムに難があり、アイコンにカーソルがホバーしただけでカッコンカッコン音が鳴ってウザいことこの上ない。
効果音とシステム音の設定が一緒になっているせいでゲーム中の効果音を諦めざるを得なかった。
これによりゲームの面白さが数%程度損なわれたかもしれない。

エロは数的には十分。
シナリオゲーで各ヒロイン5シーンずつ欲しいと言ったら望み過ぎだろう。
絵はやっぱりべっかんこう氏の単独で固定して欲しいことと、Hシーン時のヒロインテキスト(台詞)が使えないこと、回想で実際のHシーンに入るまで無駄な部分が長い、パンティの上からモザイクをかけていることなどが不満点。

過去の設定でもっと知りたかったことがあり、一つは2000年生き続けているミツルギと滸・奏海が子供の頃からの知り合いであることに疑問を持っていない点。
これはFDで、ミツルギは禍魄同様自在に姿形を変えられると補完されていた。
本作で禍魄は殺した相手にしか変化出来ないと言っていたが、年齢変化については言及していなかったので子供の姿で現れ成長しているように見せかけていたというのが正解なのだろう。
次に武人の系譜。
稲生融の長男に呪術を施して太祖になったとして、当時既に存在していた槇家にどのように武人の資格が受け継がれていったのだろうか。
稲生家の武人覚醒していない女子が槇家に嫁いで生まれた男子に武人の紋章が発現していた、もしくは稲生家の男子を養子に貰いそこから始まったのか。
最後に朱璃が呪装刀を使える件。
古杜音が言っていた「強大な呪力で無理矢理使う」という説以外では、当時最新の呪術様式は緋彌之命自身が確立したのだから自分の死後に発明された呪装刀でも理解して制御することは造作もないという辺りだろうか。