これにて一件落着
前作の補完になる部分、更にわけがわからなくなってしまった部分、どちらも存在するがあるべきところに戻すという本作の締めとしては不可避な別れを最後に持ってきて堂々の完結。
島で皆と暮らして大団円という本編のEDは良かったが、本作のビターなEDも仕方ないと受け入れられる。
視点となる時代があっちこっちへ行って勢いを切られることもあったがやはり安定して面白い。
一魅の言った命を守らなければならない人物とは実は桂小五郎ではなく……といったどんでん返しを期待していたが、FDでそこまで面倒なことはしなかったか。
お気に入りのCGは、前作1章の討ち入りでもあった構図で赤穂浪士が揃って行進してくる1枚。
これから決戦という雰囲気で否が応でも盛り上がる。
個別ルートは短く『1日外出録』といった感じでややパターン化している内容がネックであるものの、綿密な取材の跡が見て取れて簡単な聖地巡礼といった趣があった。
自分の中では右衛門七ルートが正史ということで落ち着いた。
というのは、他のルートでは主人公がまた真剣勝負の刺激に飢えてしまったり元禄の生活に恋焦がれてしまう可能性は排除されていない。
しかし莉桜が右衛門七の代わりとは言わないが、主人公を平成の世に繋ぎとめてくれる楔になってくれるような気がした。
超短い一魅はまあオマケでしょう。
ハーレムEDの方が良かった。
清水一学が主人公の子供を産んだらそれこそ甲佐一魅が産まれなくなってしまうのではないか、なんて考えるだけ無駄か。
最後に解放される"誉れの三百石"でちょっと泣けた。
時代物のこういういい話に弱い。
これで『ChuSinGura46+1』が終わってしまったかと思うと寂しい。
FDまでやった上でもっと世界に浸っていたかったと思わせるシリーズは数える程しかない。