ヒロイン8人分+1とシナリオボリューム満点。
ぷりりんから演出が更にパワーアップ。
背景が動くのは感動です。
いつもながらOPムービーが歌と合わせて高品質。
敢えていえば、ヒロインの裸身画が胸の大きさの設定を反映していない点が惜しい。
CGのクオリティはこれまでの紫作品で最高と言っていいだけに、画面サイズが従来の800×600に戻ったのは残念。
1024×614(約5:3)という妙ちくりんな解像度のままで良かったのでワイド画面だったなら。
あるとで出来なかったキャラ紹介のデモ画面がおまけから見られるようになったのは改善点。
今回主人公の部屋に過去作のポスターは無し。
Hシーンは毎回少なくともCG3枚と頑張っている。
ただ前戯が長く挿入してからは短いという早漏なので注意しないと抜き損ねる。
「明日の七海と逢うために」は別作品として独立しておらず、明日君の6人をオールクリアするとルートが解放される。
これは気に入ったヒロインだけ攻略する人にはちょっと可哀想な仕様。
デモ閲覧タブに追加される"りんの小噺"2つもお見逃しなく。
・小夜ルート
"向こう"へ行く方のEDの方が良かったです。
ビターな終わり方するけどエピローグでちゃんと再会出来ますし。
引き留める方のEDは咲と逢ってしまうのが逆にマイナス。
だって妹も友人も捨てて消えてしまった理由なんもないんですもん「ただの好奇心」てそれはあんた、こんな人間に小夜は10年間も追い詰められて主人公も振り回されて、やってられないですよ。
あーちゃんも自分勝手に居なくなりましたが、幼児と高校生の分別を同列には語れません。
例えば不治の病にかかっていて神の世界じゃないと生き延びられないとか、あっちに行けば両親に会えると思ってとか、やむを得ない事情が欲しかったところ。
・瑠璃子ルート
どちらのEDも味があった。
結婚後も「シュウ先輩」はなんとかして欲しかったですが。
もう片方の方は記憶どころか世界や歴史が変わってしまっていますね。
主人公と瑠璃子が隣に住む状況になっていないというだけで、それに付随する彼らの親や同居人たちの人生も変わっているはずですから。
他のルートだと夏を越しても数年経っても瑠璃子はピンピンしている。
自分のルートでだけ苦しむなんて、これではまるで主人公こそが呪いそのもののようです。
・あさひルート
特に響くものが無かった。
超常的な事柄に関わりなさそうだったキャラが昔は神だったという驚きだけはありました。
このルートは恋愛色が薄くて、後から来た七海に一気に食われた感がある。
まああさひと舞は最後まで一本道だし、あくまで頭数要員という感じがします。
・舞ルート
舞は本当にただの一般人。
舞のファンに絡まれたりストーカーを退治したりの話になると思いきや、明日香との三角関係が話の軸。
従業員同士の恋愛絶対禁止と言っていましたが本人は全く気にしてない様子。
意外と他人に厳しく自分に甘い性格?
さてこのルートは主人公が大馬鹿野郎。
明日香が消えたまではいい、予兆に気付かなかったのはしょうがない。
会いたい人に連絡が付かない気持ちを知っているはずなのに恋人からのメールを無視してるのがダメ。
その理由も独善的で心底呆れますが、一人にして欲しいならその旨一言でも言っておかなきゃ心配するに決まっているだろう。
普通ならこの時点で自然消滅か会いに来られていざこざ起こして終わっているでしょう。
手紙が出てくるまで、明日香が再度失踪したのは腹いせなのだと思っていました。
自分を見てくれなかった人(達)に辛く悲しい思いをさせてやろうとする報復。
悪意をもってやったということは逆に言えばどうすれば人が苦しむか人の痛みがわかるわけで、無自覚に人を傷付けるモンスター(あーちゃんや咲やこのルートの主人公)より余程真っ当な心根であり救い甲斐があります。
・明日香ルート
イニシャルヒロインなので謎の解明や泣きが主軸になると予想したがそれは全く見当違いで、コメディ色の強いシナリオ。
終盤になっても傾向は衰えず、エンディング直前までお笑い展開が入る。
最後はりんとあーちゃんまで一緒に暮らす大団円。(咲が戻って来ない以外は)
恐らくグランドフィナーレ的な位置付けで、ED分岐しないことから考えても暗くせずハッピーエンドで終わらせたかったんでしょうね。
明日香は人気投票では5位であまり奮いませんでしたが、ぷりりんの春野ゆめと似たタイプである意味仕方ない面がある。
そのゆめだった風音さん演じる七海が1位でしたが、これはサブキャラ故でしょう。
彼女がメインヒロインだったら1位は取ってないと思います。
・里佳ルート
咲が消えた真の理由が掘り下げられることもなく、結局謎のまま。
本人が言うように実際大した理由は無いのかもしれないが、そうなるとシスコン設定が嘘くさくなってくる。
里佳自身については特に印象に残ることがない。
明日香ルートで何回か"憧れのお姉さんだった"旨を主人公が思い起こしていますが、それは本ルートでこそ活かして欲しかった。
「主人公を悩ませればそれだけ原稿が埋まってウハウハ」言ってしまいましたね。
・七海ルート
"七海を攻略したい=あさひルート告白シーンからの続きをやりたい"という願いは果たされず。
別の道程で好きになってもあの時感じたときめきは帰って来ないということを認識させられた。
ともあれエロい体つきが無駄にならなくて何より。
こちらのルートではドラマを作るために真奈美が可哀想なことに。
治ったから良いようなものの。
あと何気に舞が職場内恋愛禁止についての見解を語るシーンあり。
実際には建前とか言ってましたが、それで辞めさせられたバイトもいたはずですが…。
・真奈美ルート
コロっと惚れるチョロい娘。
しかしポッと出キャラとは思えない可愛さを誇り巨乳も搭載。
このルートはそれが全て。
主人公とちょっと暮らしただけで男嫌いもすぐ問題ないレベルに。
コンサート当日に直輝の車にサクッと乗ってたし、観客の前で演奏も出来たので間違いない。
そこをウダウダ引っ張られても困るのですぐ解決してくれたことはプラス評価です。
"向こう"の世界を垣間見せたのはある意味ファンサービス?
・或る夏の日
明日香ルートの後日談…というわけでもなさそう。
前作ヒロイン達のHシーンを用意してないのでせめてCGを入れよう、ならばそれで1つシナリオを作ろう、という頭空っぽにして見るタイプの話。
とはいえFD単体購入してハーレムH無かったらさぞがっかりしたことでしょう。