毒や強烈な個性は減った分、大人になった3学期。ライターのさかき傘に敬意を。
1学期の時にキャラの掛け合いは前評判通り何度も笑いました。
1学期は強烈な毒やクセのあるキャラだった中、タカヒロの絶妙なバランス感覚でキャラに嫌味がありませんでした。
3学期はタカヒロではなくライターが変わり、さかき傘に変わりました。
1学期のキャラの違った側面を描けば改悪と言われ、変えなさすぎると劣化版と言われる中、3学期の描いたキャラの個性は絶妙だったと思います。
世界観や大まかな設定以上にキャラの個性が特徴なつよきすの中で大変な作業だったと思います。
カニや近衛やエリカは物凄くに大人になったと感じます。
カニはエリカや良美と軽い喧嘩した時に関係をなんとか戻そうとする社会性を感じました。
もちろん1学期の誰にでも煽りにいくようなカニも好きでしたが。
エリカは唯我独尊の姫からある程度、地上に降りてきた印象があります。
彼女がこれから世界を牛耳る財閥の経営者となるのであれば、ある程度の折れてみせるしたたかさは必要になります。
これは魅力がなくなったとも解釈ができますが私は成長の証だと思います。
近衛は対立するからではなく、対立の中でも折り合いをつけてくことを学んでます。
近衛とレオの合わないから、近づかないという考え方は友達の関係性ではありません。妥協できないのは彼氏彼女の関係や元カレ元カノの関係です。普通の友達なら妥協できる関係性です。
乙女が鍋で近衛とレオに対して付き合ってもいない2人が対立してる原因に「2人は友達以上の関係を求めてるから」って一言はその通りだと思います。
全員が大人になった分、逆説的に展開に波乱や裏切りがなかったとも感じました。なので全体的にマイルドになったと思います。
例えば今回カニルートではスバルはカニへの思いは既にケリをつけて、応援する側になってます。1学期の時はいざレオとカニがいい雰囲気になったら、焦りカニを好きなことをレオに話してしまい、レオがカニを突き放す展開になりました。
良美の闇の深さは間違いなく1学期でした。3学期は嫉妬も薄くなり、幾分前向きです。
ですが、これらはどちらがいいかというよりも好みの問題だと思います
私の個人的に欲しかった点
つよきすの世界観とマッチしないかもしれませんが、スバルのカニへの好意の部分はもっとなごみや乙女を巻き込んだりして展開してほしかったなと思います。おまけスバルルートで35歳まで独り身だったら、結婚してもいいぞとカニは答えて、それをたまたま同席したなごみはスバルに「何も考えてないって残酷ですね」と発言します。こういうの大好きです。
各ルートで選ばれなかった良美とカニはポップな嫉妬を見せる程度ですが、もう少し濃いめのを見たかったです。
展開で他校からの刺客や誘拐、体育祭のパターンが多かったですが、これだけヒロインが多いのであれば関係性の中で対立をもっと見たかったです。良美やカニやセレブはレオに好意を持ってます。そこをレオやエリカが応援や介入する展開を見たかったです。
作り手は誰がメインヒロインを明確にしてません。横並びですが、私個人としてはレオの根幹のテンション理論の発端の近衛に落ち着くのが作品として奇麗なのかと感じました。時点で乙女さん。
一番好きなヒロインはなごみでしたが、一番好きなキャラクターは乙女さんです。
つよきすのコミカルな展開を一番演出したのは間違いなく乙女さんだったと思います。