シナリオ至上主義に恥じない名作。シナリオ・ビジュアル・サウンド・演出ともに非常にクオリティが高い
「月と地球、384,400kmを繋ぐラブストーリー」というキャッチコピーに惹かれて購入。
体験版を購入前にプレイしたのだが、まず初めに流れるプロローグがkeyらしい切ない雰囲気を演出していて良い。それが終わると唐突なレースシーンから物語がスタートするが、激しいレースの演出でプレイヤーを引き込み、ヒロインとの偶然の出会い、ここまでのテンポが非常に良く心を鷲掴みにしていく。1回のダイアログ内で表情が目まぐるしくと変化する演出もキャラクターの動きを演出しており、立ち絵・背景と文字で世界を表現するビジュアルノベルの強みを活かしている。
個人的にメインヒロイン「るなきゅん」のデザインはあまり好みではなかったが、シナリオを読みすすめるにつれて引き込まれていき最後には思いきり涙した。キャラクターの表情もかなり多く用意されていることが大いに生きており、普段はニコニコの表情が場面によっては真剣な顔になったり、泣いたりとキャラデザのクオリティがここに来て真価を発揮する。本当に素晴らしい。魅力的な4人のキャラクター、声優さんの演技、絶妙なタイミングで入るBGMなど細かな点も評価したい。
プロデューサーの方がキネティックノベル3作に関して「シナリオ至上主義」ということをコメントしていたが、その名に恥じない作品。シナリオを筆頭に・ビジュアル・サウンド・演出が相まる傑作に仕上がっている。
最後に、keyのブログやTwitterでは本作に関わる方のコメントやイラストなども掲載されているため、そちらも必見である。