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banao1216さんの冥契のルペルカリアの長文感想

ユーザー
banao1216
ゲーム
冥契のルペルカリア
ブランド
ウグイスカグラ
得点
83
参照数
540

一言コメント

求めていた物語。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

面白さとしては冒頭からopまでと共通部分はサブキャラ達も含む各キャラの魅力(迫真の演技力や愛情と憎悪という感情面)が浮き彫りになって出ており先がとにかく気になってしょうがなかったです。
共通部分からの京子の存在が周りの人間たちの感情をかき乱しておりハラハラして読み進められた。一方サブキャラ枠の双葉やハナといった癒し役としてうまくバランスを保っており感情的には沈んでしまう部分が大半なのだが苦にならない程度に進めることが出来たのがポイントが高かった。

次に個別分岐からですが異色を放つ選択肢も素晴らしい。個別自体は共通からの延長戦といったところでしたが理世√→めぐり√の繋ぎは鳥肌が立った。あの上げてから落とす感覚が癖になる。偽りの未来をみせつけられてからの繋ぎは完璧ですね。火事により失われた命の衝撃と命を失った者たちがめぐりに託す想いをみせつけられました。あの4人いいキャラ過ぎるだろ...。そして続く琥珀√はまあまあ。
ラストのTrueはやってくれたな...未来(氷狐又は京子)という主人公の妹の存在。過去に亡くなったとされた未来だが次第に明かされる兄に対する憎悪、愛情が入り交じりもう感情的に理解するのが追いつかなくなる程の苦しさ(兄→妹同様)演劇や兄妹の関係の歪みをみるのは本当に辛いものがありました。偽りの世界から現実の世界?に戻りハッピーエンドのような終わりを迎えたが何か複雑な心境に陥ってる感覚です。

前作からですが登場キャラの心の底の闇を読み手側に伝えてくるのがうますぎますね。あのENDは個人的には良かったと思うのですがところどころ消化不良な部分はあったと思います。
まあこの世界観が好き過ぎてしょうがないんですよねもう。