2006年に発売された、れいんどっぐ時代処女作のリメイク作。元の作品の魅力を損なうことなく、新たな魅力を加え見事に作り上げられた作品だった。リメイク前の作品を半年近く前にプレイしたばかりだった私だが、それでも充分に満足いった作品だった。
今回のリメイクにあたり、同人版から様々な変更点が出ることは最初から分かっていたし、変えないとマズイだろうなと思うシーンもあったりしたのでそこに関してはあまり不満もないのだが、2点ほど、ちょっと気になったというか、こうだったらもっと良かったかなと思うところもあった。
1点目が9章での公園で永遠が歌うシーン。
ここのシーンで拓実のセリフに「公園の住人たちが永遠のファンだ」「ラジオで永遠の歌声を聞いていた」といったセリフがある。
セリフ自体は同人版とリメイクと共に同じ内容ではあるのだが、今回どうしても違和感を覚えてしまった。
というのも、元々同人版では、序盤のサーベルタイガーが無くなった後に拓実はその公園で教授と呼ばれる人に助けられ公園で生活する期間があった。その際公園の住人との交流もあった上でのこのセリフだったのですんなり進められたが、今回のリメイクではその序盤のシーンが大きく変えられており、拓実は公園で生活していない上に教授も登場しない。
そのためどうしても違和感となってしまっているように感じた。
もちろん、セリフ自体が伝聞調になっていたりと、なるべく違和感にならないようにはなっているもののどうしても気になってしまった。
細かい点といえばそうだし、同人版を未プレイの人からしたら「何のこと?」となってしまうようなことかもしれないが、気になったものは気になってしまったのだ。
2点目が郁乃と莉亞のルートのEDについて。
この2ルートは今回リメイクに際して追加されたルートであり、言ってしまえばサブルートないしBADルートとも取れる。
元々同人版が一本道の作品だったので追加されたルート自体に対してはそうなるのはかまわないのだが、そのEDでED曲。
これが、永遠のルートであまりにもハマリすぎており、郁乃と莉亞のルートで流れるのがちょっと気になった。
Off Vocalだったりであればここまで気にならなかったのかなと思う。
以上2点。
ほんと細かいことばかりでわざわざそんなとこ突っ込むのかとなってしまいそうなところだがやはり気になってしまったので。
と、気になったところを挙げたものの、もちろん良かった点もある。
大きくはまず(主人公以外)フルボイス化。
同人版の頃から「想い」の乗った台詞回しの多かった(特に終盤)作品だけに、ボイスが付くとより一層キャラ達の感情の伝わり方が別格でした。
それから演出面の強化。
『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』という作品を経て非常にパワーアップされた演出面。今作でもその魅力は如何なく発揮され、さらに強化されていった。
分かり易いところで言うならば、教会でのバトルシーン。『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』本編やFDでも驚かされていたが、その驚きをさらに上回るモノとなっていた。
あれだけ「動く」と、テキストで伝わる以上に分かりやすく、かつ目を引き魅入らせてくれる。
それからライブシーン。
ボーカル曲の起用や、これも演出面といえばそうなのだが強制オートなど。
強制オートって私個人としてはけっこう好きなんですけども、あまり好きじゃないって人もいるようですね。
制作側の「魅せたい演出」を余すところなく見せてもらえるというのはすごく良いと思うんですけどね。
などなど、やっぱり良かった点も多数あり、総合的に見れば充分満足のいく出来だったと思います。
ここまで『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』『僕はキミだけを見つめる』と同人時代の作品に絡む作品の続くインレですが、すでに動いているらしい次回作では完全新作が期待される(そうであろうことは想像に難くないが)。
同人時代の作品から触れてきたものはどれも楽しませてもらっているので、次回作でもまた楽しませてもらえると期待している。
◎余談
すごくどうでもいいことなのですが、永遠のCVが三代眞子さんであり、そのせいもあってかボーカル曲がどうしても雪菜(WHITE ALBUM2)に聞こえてしまってちょっと苦笑してしまったりもしました。