これが見たかったんだ!とでも言いたくなるほどに期待通りのものを得られた作品だった。テンションを突き上げさせるような激しさは無くとも確実に気持ちを持ち上げさせてくれる楽しい日常の共通部と、主人公とヒロインの関係性がありながらそれだけで終わらせず周りもしっかり含めて展開させてくれる個別とどちらも非常に楽しめた。細かい部分で不満が無いわけではないが作品全体で見て十分に満足のいく作品であった。
十分に満足度が高く、あまり書きたいと思ったことも多くないのだが、簡単に各個別にて思ったことをつらつらと。
・憧子
正直に言って色気ムンムンすぎてそれ以外ほとんど覚えてないです。ハロウィンパーティーのときのコスCGの色気にホイホイ流されてしまった気がします。
元アルプどうこうの話に関しては悪いわけではなかったが、「先輩の感情が伝わってこない」という部分は共通でにおわせるくらいはして欲しかったかなと思いました。その部分が個別に入ってから急に出てきたように感じられてしまい、多少ではあるが後付け感を感じてしまったのはマイナス。
しかしその辺りが解決した後、先輩が感情豊かになってからの照れ等々は非常にかわいくそこは良かったと思います。
・紬
紬の願いを中心に魔女やアルプの設定がしっかり活きた展開だったのは良かったです。が、それ以上に紬に抱きしめられているCGの威力が強く、そこだけでも相当な満足感を得られていた。
ここ最近で流行りの「バブみがある」ということを強く実感したヒロインであった。
・めぐる
個別の中でで一番「恋愛」していたように思う。
お互いにコミュニケーションがあまり得意で無いからこその距離感の絶妙さなどは非常に好きなところでした。
しかし、付き合い始めるまでの過程がじっくり描かれていた分そこから先の展開がやや早足のように感じてしまったのと、最後のChapter9がややエロラッシュ(ラッシュというほど回数も無かったが)のように感じられてしまったのは少し残念。
あとは、紬のルートに比べてアカギの性格が普通すぎて、多少の違和感を覚えた。
・寧々
寧々の願いやRe:Start辺りから、「世界線を越えて異なる未来へ辿り着こうとする」というように解してしまいADVゲーの名作と名高い某作品を思い出してしまい一人で変に笑ってしまっていたことが特に印象深い。
代償やRe:Startなどからエロ面も回数的に優遇されていたがその辺りに関してはあまり不満には思わなかった。
一番最後の〆方などは「りつさんらしいなぁ」などと思いながらもやはり好きだなぁと感じさせてくれました。
・和奏
そもそもとして、私は「サブヒロイン攻略可」というものにあまり良い印象が無い。
というのも、「攻略できないからこそのサブなのではないか? 攻略できるのであればメインで良いのではないか?」という思いが根底にあるからだ。
だからこそ「サブ」だけど「攻略可」という中途半端(悪い言い方をするなら手抜きに感じられてしまうよう)な状態にはもやもやした想いを持ってしまう。
閑話休題
和奏自身は親友ポジションの一人として良いサブキャラであったように思う。
だが、先輩のところでも同じようなことを書いたが、こちらでも「10年くらい前に~」という部分が個別で急に出てきたように感じられてしまった。
・まとめ
「やっぱりゆずソフトはろどさんがディレクターをやってくれているときが一番おもしろいな!」と改めて感じさせてくれた。
先にも書いたとおり、細かい部分で多少の不満が無いわけではないものの、どれも大きなマイナスとなるようなものでもなく、実に高い満足感を得られる作品であった。
今後もこのような満足度を得られる作品を作ってくれることを期待します。