ちょっと爽やかで、ちょっぴり切ない そんな一夏の想い出
クリエイター陣から、そこそこ話も楽しめるキャラゲーになるのかなと期待をしていたらそれをいい意味で裏切ってくれました。
共通・個別共に十二分に楽しむことができました。
個別のシナリオについて好きな順に並べるなら
叶>澄空>汐>つぐみ
ですね。
・汐
幼馴染みから恋人への過程が丁寧に描かれている√
汐は、ここぞというところでこそ押しの強さを見せるものの、基本的に枢を信用して言うことを聞いてしまうところなどはまるで忠犬のよう。
枢は、過去の出来事がありながらもそんな風に懐いてくれている汐に対して甘え、自身の答えを出すことを先延ばしにしてしまう。
そんな2人がクロハの力で飛ばされてしまった世界で夫婦となっていることから、汐は積極的にせまっていき、枢はそんな汐の想いに対して答えを出さなければとなるまでの過程がややしつこさを感じるほどにしっかりと描かれている。
枢が答えを出す決意をするまでの過程にしつこさは感じたものの、汐のひたすらに一途な想いや終盤のプロポーズの場面はすごく良かった。
こう書くと枢が優柔不断なように見えますがそうではなく、ただちょっと真面目すぎるだけなように思えました。
個人的に結婚ENDが好きだということと、EDの入り方がすごく綺麗だったこともありこの√は大好きです。
・つぐみ
自分に自信の無いつぐみが自信を持ち、前向きになっていく√
胸くらいしか自分の魅力がないと思っていたつぐみが少しずつ変わっていくところはかわいい。
枢について、そしてそれぞれについていろいろな伏線の見えるところは読んでいてワクワクした。
つぐみの間違った知識披露には毎度ニヤニヤした。特に初デートのローターにはやられました。
・澄空
男や恋愛などについて全然知らない澄空が、様々なことを知って成長していく√
澄空は、警戒心が強いけれど懐けば擦り寄ってきたり、好奇心が旺盛だったりとまるで猫のよう。
枢は、昔持っていた獣医になるという夢を、猫の飼い主探しに一生懸命になる澄空の姿を見て再び情熱を取り戻し改めて夢とする。
澄空と枢を中心にみんなで猫の飼い主探しをしていく中で、澄空が周りとの付き合い方や自分について知り少しずつ成長していく過程がうまく描かれていたと思う。
特に、ミルフィと結菜ちゃんのシーンは思わず涙してしまいました。
・叶
詩代叶というキャラクターを中心とした話
叶は、小さい頃身体が弱く旅館で湯治していたときに枢と知り合いその後死亡していた。
枢が積極的な叶を避け気味で魅力を見ないようにしていたところからそれに気づいて徐々に惹かれていくところは読んでいて楽しかった。
何故叶があれだけ積極的に仕掛けていくのか、昔とか性格が大きく変わってしまったのは何故なのかなどに関する真実が明かされるところは見事にやられました。
死亡から生き返る展開については賛否両論出そうではありますが、クロハのセリフとその存在、そして2人の想いの起こしたハッピーエンドということで自分は良かったと思います。
個別ではこの√が一番好きですね。 やっぱり結婚式は卑怯(ry
・+α(ハーレム?)
4人目のエピローグからそのまま続けて入るまとめの√
これまでに張られていた伏線の回収や補完等がメイン。
全てのヒロインと結ばれた後の話のためヒロインが皆かわいいかったです。
クロハについて、そして主人公やヒロインたちに関して、各キャラのエピローグでクロハが語った昔話から推測される内容にさらに踏み込んだ部分も描かれている。
・まとめ
キャラ同士の掛け合いもおもしろく、キャラクターもみんな魅力的でありキャラゲーとしても満足できる内容であり、シナリオに関しても十分に楽しめる作品でした。
共通パートにおいて澄空の出番が少し少ないかなとは思ったものの魅力は伝わるでしょう。
クロハがどうして主人公とヒロインをくっつけようとするのか等についてもしっかり補完がされていたのは○
自分が期待していた以上に満足いく作品でした。