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bamboo1987さんのアマツツミの長文感想

ユーザー
bamboo1987
ゲーム
アマツツミ
ブランド
Purple software
得点
100
参照数
222

一言コメント

良い読後感

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

アオイトリをプレイしてそのブランドの作品に興味を持ったので遊びました。1番泣けたのはほたるルート(通常)でした。
言霊という言葉通りに世界をどうにかできてしまうような力を持ちながら、人との関わりで人間味を手に入れていく主人公の物語。
物語の根幹に言霊で得た偽りの家族関係や学園生活があるのは少し引っかかりを覚えないわけではない(最後に言霊を失った後効果は残っているのか?)けど、それでも私は好きな物語だった。自分勝手とも多分に取れる行動だとは思うけど、主人公がいたから笑顔になれた人は間違いなくいると思うので。

ほたるルートでは、ほたる役の小倉結衣さんの声がとにかく凄かった。天真爛漫な声も邪悪な声も完璧だった。
ほたる通常ルートの最後では、主人公とオリジナルのほたるが消えてしまうが、消える、死ぬというのは人であることの証で、2人とも神ではなく歴とした人であることの証明に感じられて、あの終わり方は結構好き。
終盤の流れはどちらも好きだけど、エピローグでほたる通常ルートではほたる一人で見上げた青空に対して、ハッピールートでは2人で見上げ、そこからエンディングで「こころに響く恋ほたる」が流れる演出は、爽やかな一夏の物語の終わりに相応しく、曲自体もとても好きになれた。

ヒロインでは、恋塚愛が一番好きかもしれない。高飛車な感じなのは最後まで変わらないけど、普通の人と関わって徐々に態度が変わっていくのがよく分かったのと、Hシーンが個人的に1番自然(エロゲーの言うのはナンセンスだけど、その流れでする?みたいな印象を他ヒロインで偶に受けたので)な気がした(昔からしてたから当然なのかもしれないけど)。