ErogameScape -エロゲー批評空間-

bakabakamankoさんの電脳侵犯・キサラギ参事官 「もうこれ以上、私の中に入ってくるな!」の長文感想

ユーザー
bakabakamanko
ゲーム
電脳侵犯・キサラギ参事官 「もうこれ以上、私の中に入ってくるな!」
ブランド
ルネ
得点
75
参照数
3157

一言コメント

一色さんなんだろ?そうなんだろ?

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

その昔、どうしても看護婦をやりたい衝動にかられてM no Violetの「風間愛」(ダイエット版)を買った。黄金ゲーという噂は聞いていたが、メインともうひとりのナースが好みだったので買った。
卑語はかなり少なかったものの、メインヒロインの音声が無修正だったので少し嬉しかった。そしてもうひとりのヒロインを攻略しにいったところ凄まじいP音修正が入っていて唖然とした。その声をあてていたのが一色ヒカルさんだった。その日以来、彼女は私の敵となった。

この「キサラギ参事官」にも一色ヒカルさんはシシマル役で参加しているが、彼女目当てで買ったわけではない。亜騎子さんのムチムチボディ、及び主要ヒロインの身長と体重のバランスに感じるものがあったからこその予約買い。一色さんがいる時点で卑語には期待はしない。そのつもりだった。

「キサラギ参事官」の卑語はテキストが全て修正ありで音声は無修正・P音修正あり・無音修正ありの3パターン。
メインヒロインの亜騎子さん及びねね・ヒトミ・香我美さん・カゲマルは無修正、シシマルはP音修正あり、リンダは無音修正あり。その他にも大勢のキャラがエロシーンに登場する。その中の1人に木山サトミという子持ちの人妻が出てくる。サトミさんの卑語は嬉しいことに無修正である。このサトミさん、エンディングクレジットでもキャスト名が明らかにされないのだが声が一色さんそっくりなのだ。シシマルと同じ声なのに、いや聞き比べなくともこの独特の声の調子は一色さん以外に考えられないのだが、サトミさんにはシシマルにあるP音修正が入っていないのだ。もしかしたら激似の別人かもしれないし、本当に生き別れの姉妹がいるのかもしれないし、やはり御本人なのかもしれない。真実はわからないが確かなことは、サトミさんの発する「チ○ポ」そして「オマ○コ」は実に滑舌が良く曇りの無い、諦聴の価値がある一品だということだ。全部が聞こえるというそれだけではない、培ってきた技や魂を感ずることができる素晴らしい出来栄え。私はそそり立ったちんこをさすりながらクリックする手をしばし止めた。そして渾身の「ぶっとぉいチ○ポォォ」に感動し、澄み切った「オマ○コイク」の音色で感涙にむせんだ。下品な言葉は才人によって見事な昇華を果たしたのだ。

今まで何度、一色ヒカルで抜いただろうか。
ヘッドホンから聞こえる彼女の声は、耳元にま○こがあるんじゃないかと思わせるほどの吸引力でわがちんこをを締め付けてきた。敵である彼女に搾り採られることに悔しさが込み上げることもあった。
だが、今の私に彼女に抱いていた負の感情はもう無い。
一色さん(仮)は私の強敵(とも)になったのだ。 \ピッカリ~ン/

このゲームには元ネタがあるらしい。が、それについて私は何も知りません。なので、私が気付かない面白さが本作品にはあるのかもしれません。
ストーリーは無難な作りで、奇をてらったようなところはないように思いました。ヒロインが皆ウラの無い人ばかりで、その点に少し拍子抜けしました。死や破壊を描く一方で、その当事者や取り巻く人間の感情の表現が平易で平穏なものに私には感じたため、もう少し個々の知られざる醜い部分などがあっても良かったのではと思いました。
一番良かったキャラはジャンク屋の娘・リンダです。
彼女は主人公にとって一番気が置けないポジションにいて、軽口を叩きあいながら日常生活を共にする、雰囲気的に幼馴染に近い存在です。主人公が本当の心を自分に向けてくれないことを自覚しつつも献身的に尽くす姿がとても印象的で、彼女を幸せにしてやらなきゃ男じゃないだろと思わずにはいられません。遠くへ行ってしまいそうになる主人公をあの手この手で繋ぎ止めようとしたり亜騎子に嫉妬したりの切ないシーンの連続に、不幸な結末を覚悟しながらも一縷の望みを託してテキストを進めていきました。
選択肢によって彼女の想いの行方は変化し、サブキャラとしては予想以上の待遇の良さでした。幸せそうな姿を見ることもできましたが、物足りなさも残りました。理由は、リンダの幸せが作品の本筋から切り離されたところで描かれているためです。リンダを選んだ時点で主人公は特務局を離れ亜騎子を救う(または支配する)任務を放棄するので、冒頭で与えられた課題や張られた伏線をクリアすることなくゲームが終了します。物語の核心部分である亜騎子より、それほどリンダの方が大事だったという主人公の傾倒ぶりを表したかったのかもしれません。もしも亜騎子の問題にけりをつけた上でリンダを迎えに行くという話にしてくれていたら、最後の合体シーンは最高に素敵なセックスシーンになっていたのではないでしょうか。
ねね・ヒトミ・香我美さん・カゲマルにもそれぞれエンドはありますが、これらも亜騎子さんの真実をほったらかしたまま終わるので今ひとつ盛り上がらず、このまま終わっちゃっていいのかなあと思いながらのエンディングでした。亜騎子さんの出番が主人公のみと絡む電脳解析に多くを占められ、他キャラとの共演シーンが少なかったのが盛り上がらないストーリーの原因だったのかもしれないと思いました。
亜騎子さんルートもあっさり風味で、どんでん返しやら狂気の発露とか無く、それまでに蒔いた種は何だったのだとやはり物足りなさが残りました。

攻略キャラやエロシーンは多いのですが、その多さがひとつひとつを薄味にしているようで勿体無いと思いました。前戯的なことを一切せずいきなり挿入というシーンが目立ち、手抜きにも感じてしまいました。
亜騎子さんの電脳解析でのいろいろなシーンをディレクターズカットとしてまとめて見られるようになっているのですが、ユーザーが好きなシーンを任意で選べるようにしてくれた方が良かったのではと思いました。

不完全燃焼なんだろ?と訊かれたらそうなんだろ?と念を押されるまでもなくそーですね…と答えてしまえるゲームでした。
しかし、リンダそしてサトミさんに出会えたことは僥倖でした。
私のククリも喜んでいました。それはもう、一時は操縦不可能になるくらいに。