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bakabakamankoさんのファミ魔!の長文感想

ユーザー
bakabakamanko
ゲーム
ファミ魔!
ブランド
PUZZLEBOX
得点
68
参照数
2743

一言コメント

萌日記に比べたら、僕にはきっと神の領域。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

約2年前、萌日記というゲームをワクワクして予約買いました。1週間くらい所持したのちにクリアせず処分しました。
ファミ魔!の体験版をプレイしたら、「これは萌日記を遥かに超えた良作!」との感触を得たので買いました。

○絵 16点くらい(20点満点)
ママ姉ことレイカさんが美しすぎて涙が止まらない。
その涙はもちろん嬉し涙だ。
かなりの大人なはずなのにとても純真そうな目でこっちを見つめたりにっこりしたり、可愛いにもほどがある。
大きな胸と細い腰、よく張ったお尻のバランスもいい。落ち着いた配色の普段着との組み合わせといい、もしかしてこの人は僕の嫁なんじゃないかと素朴な疑問を抱かずにはいられなかった。
だがしかし、そんな僕の淡い恋心もしばし打ち砕かれる。
時々挿入されるSD絵が壊滅的に可愛くないのだ。僕にはそう見えたのだ。レイカさんがレイカさんじゃないんだ。レイカさんに見えないそのSD絵をレイカさんとして認識しなければいけないのが辛いのだ。こんな気持ちはたぶんフォルト!!以来なのだ。
また、イベントCGでのレイカさんが立ち絵のレイカさんよりやや幼く見えて残念だった。待ち望んだはずのエロシーンで僕のちんこがたたない…たたないのよ!立ち絵のレイカさんが頬を染めただけでビン!ってなったのに…なったのに!
レイカさん以外には執着がなかったためか、他のキャラではSD絵も楽しめた。クミコ・F・花小金井はかえってSD絵のおかげで自分の中での好感度が上がったくらいだ。

・文章 5点くらい(10点満点)
ラストの魔王との戦いまで、主人公とヒロインたちとの日常がだらだらと描かれる。全体を通して明るめかつ楽しげ。たまに主人公の前世の記憶に関わるところでやや重めになるのだが、ストーリーにそれほどの起伏は感じなかった。登場人物のセリフそれ自体は面白いのだが、主人公の説明的なモノローグの介入によりテンポを失い、楽しいという感じはしなかった。
作中では、主人公が記憶を取り戻すことや、前世でのヒロインとの関係とか魔王の存在とかが重要視されてるみたいなのだが、自分自身プレイしていてそういうことには興味が湧かなかった。現世のヒロインとの関係をそのまま楽しみたいという思いが強かったためかもしれない。
途中、クミコの登場でいよいよ物語が動き出すのかと思ったのだが、大きな変化はなかった。ゲームを続けていくうちに、先が気になるという期待感は次第に薄らいでいった。
魔王との戦いよりも、ヒロインたちが主人公を巡ってバトルする姿を見たかった。小さなイベントは起こるものの、登場人物たちの平和なやりとりは自分には退屈だった。

○声 16点くらい(20点満点)
レイカさんの日常会話が全てエロ台詞に聞こえる。中の人のオトナな感じの声がとても良かった。オチ○チ○っていうP音は意味不明だったが。
ひびきの声によるネタも面白かった。
クミコの中の人は大変だなあと思った。
全体的にセリフがゆっくりめで、軽快さは感じなかった。

・エロさ 11点くらい(20点満点)
冒頭で主人公が鑑賞していたAVのシーンのインパクトを超えるエロシーンに作中でついに出会うことなく終わってしまった。ほむらのちっぱい騎乗位など気になるシーンはいろいろあったのだが、自分には立ち絵からエロCGへ替わったときの感動があまりなかった。
体験版でその冒頭のシーンやほむらのパンチラを見て、少なくとも萌日記ほどひどくはないだろうと思って購入に踏み切ったのだが、比べた対象を間違えていたことにプレイ後気付いた。クミコの胸チラとかも絵的には好きな絵なのだが抜きに到るほどではなかった。ボリューム的にも物足りないし、汁の飛び散り方は激しかったがエロとしては淡白でおとなしめに思えた。ヒロインの喘ぎより主人公のセリフやト書きが目立つように感じ、なんとなく眺めているうちにサッと終わってしまう、そんなエロシーンだった。

○ヒロインの魅力 15点くらい(20点満点)
レイカさんが年齢ネタで怒りを露わにする場面がちょこちょこ出てくるのだが、少々無理があるように思った。物腰はお母さんのそれっぽいが、見た目は学園の生徒会長でもおかしくないように自分には見えたから。見えたから!
いっそのこと、こういうキャラで妹とか本気でやって欲しい。落ち着いている・おっとり=母ってやった方が扱いやすいのかもしれないが、ファミ魔!の場合、その当然のイメージが作品から意外性やオリジナル性を廃して凡庸さを助長してるように思えた。とはいえ、レイカさんの「あらあらあら」にはニヤニヤせざるをえない。
ほむらが途中で大きく成長してしまう。自分は嬉しかったが、そのままでいて欲しかった人のことを思うと素直には喜べない。自分は大きくなったほむらを見た瞬間、「エロス!エロス!」と叫んでしまった。
クミコ・F・花小金井はほぼ出オチの感が拭えないのだが、懸命に空腹と闘う姿は他人事と思えず応援したくなるヒロインだった。登場シーンの強いインパクトから、主人公と三姉妹の間に割って入って無茶苦茶やるのかと思ったらそんなこともなく、面白いキャラが少々もったいない気がした。
緑の幼馴染はどこかで三姉妹にキレてもよかったはずなのだが、終始おとなしいキャラでウジウジしてるばかりでうざかった。
ひびきは別人格のこだまさんとか出てくるんだが、普通にひびきとしてブチ切れてくれた方がキャラの魅力は増したように思える。

・満足度その他 5点くらい(10点満点)
絵もキャラも可愛くて良かったのだが話もエロも物足りなかった。
クミコの登場シーンなどから、もっとハチャメチャなものを期待してしまったが、終わってみれば主人公とヒロインたちの小さな幸せを描いたタイトル通りの家族物語だった。
ただ、仲の良さをありのまま描いただけなので劇的な面白さは感じなかった。
貞淑そうなレイカさんの濃厚な乱れっぷりを期待したのだがアテがはずれてしまった。
萌日記に比べたら全然良かったのだが…
もう萌日記のことは忘れようと思う。