処女で何が悪い!
☆購入動機
初めてのライアーソフトです。体験版もやりましたが、ほぼタイトル買いです。女性アスリートの世界という、自分にとって取っ付き易い題材が決め手になりました。駿河屋で徐々に値が下がっていくのを見てるうちに新品5400円で買ってしまいましたが、今これを書いてる時点で3700円で買えるみたいです。ちょっぴり泣きたくなってきました。
あとから気付いたのですが、この作品にはFC特典というものがあるそうなので、もしかしたらそちらにいろいろと本編にない何かがあるのかもしれませんが、私には知る由もありませんのであしからず。
☆絵 12点(20点満点)
買う前から何か妙な違和感があってずっと考えていたのですが、しばらくゲームを進めていくうちに自分なりの答えが出てきました。それは、アスリートとして体型が美しくない、ということでした。鍛えられた足腰のはずなのに尻から腿への張りが無い。基本的画力がどうとかの前に、女性アスリートの体を描こうという気概があまり感じられない絵に思えました。エロシーンも控えた女の子たちですので、過度な筋肉描写など求めてはいませんでしたが、稽古によって作られた体とは程遠いか細さのため、絵から受ける迫力や魅力というものはあまり感じませんでした。
女雪相撲を舞台にした作品ということで女の子のまわし姿がたくさん出てきて試合が行われますが、取組みの絵は1枚だけで寂しい思いをしました。公式戦での決まり手も全てテキストのみで表現されるのが味気なかったです。相撲をネタにしたのは単にまわし姿の女の子を出したかっただけなのかなという、そんな相撲への踏み込みの浅さを感じる絵だと思いました。
キャラに関しては良かったです。特に、タイトル以外での購入動機のひとつだったかっこいい大河内小百合が引退によってもの凄く可愛くなってしまった姿はインパクト大でした。
☆文章 9点(10点満点)
主人公である新入部員のたんぽぽ(四股名・侘助)のモノローグで話が進んでいくのですが、頭のちょっと軽そうな感じが実に心地よく、自然と楽しい気分に浸れました。
そして、たんぽぽとは対照的な十七代目鬼百合(大河内小百合)の厳しく男前なセリフにしびれました。
理不尽ビンタADVと銘打ってあるように、このゲームでは何度もビンタの場面が出てきます。十七代目鬼百合も侘助はじめ後輩たちに何発もビンタを見舞うのですが、そのたびにビンタの理由を明確にしながら叩くのが素敵だと思いました。侘助が理不尽に感じるいろいろな女雪相撲界の伝統も、十七代目鬼百合がきっちり説明してくれます。
昔よく観戦していた女子プロレスの世界に少し似てる気がしました。
フライングクロスチョップとか出てくるし、オリジナルの技の名前からしてもキャラそのままで女子プロレスものでも良かったんじゃないだろうかとか思ってしまいました。女子プロレスだったら5対5という形式にとらわれず、部員全員同時に試合に出られる可能性も高くなるし、空気キャラがいなくなっていいかなーなんて考えたりしました。
このゲーム、前半は十七代目鬼百合と侘助の存在の対比だけで楽しめました。エロゲを買ったはずなのに正直エロはどうでもよくなるくらいでした。
対戦相手のキャラたちも、常にオトそうオトそうと狙っているような人たちばかりで飽きることがありませんでした。
残念だったのは十七代目鬼百合が物語半ばで現役を退き、後進に道を譲ったことでした。そのおかげで鬼でなくなった可愛い小百合さんに会えるわけでもあるのですが、ちょっとあっけなかったなあという思いが強く残りました。
新チームが発足した後半で侘助がグレて立ち直るあたり、もう少し丁寧に話しを作って欲しかった気もします。グレるのも立ち直るのもマッハです。
ですが、自分にとって一番の問題は「時間制限つき選択肢」でした。
なんかもう、めんどくさい。たまに出てくるのなら良かったかもしれませんが、ちょっと鬱陶しかったです。この選択肢の主な用途はたんぽぽがビンタを貰うことだと思うのですが、作り手のほんの遊び心にしては自分には辛い苦行になりました。
何周もしてるうちに本当にイラついてきました。
☆声 16点(20点満点)
いつも声はエロボイスメインで楽しむ自分なのですが、日常会話をもっと聞きたくなるゲームでした。ライアーソフトはパートボイスが普通みたいなのですが、特に十七代目鬼百合が大河内小百合に戻ったあたりや地獄極楽関のキェーーーッ!!やけーこさんの声とかガッツリ聞きたかったです。
それでも、十七代目鬼百合の漢らしい言い回しや、たんぽぽの「ひぎゃーっ」とか158kg時代の佐萌道とか聞き処満載でかなり楽しめました。
できれば、桜川さんの目一杯のエロボイスもこの小百合さんで堪能したかったです。
☆エロさ 8点(20点満点)
もともとそれほどの期待はしていなかったのですが、更に下回るエロの薄さでした。
尺と濃さ、どちらも言い方が悪くなりますが「やる気あんのか」という出来に自分には映りました。
ゲーム途中でエロ無くてもいいやと思ったのは事実です。が、それでも、頑なに処女を守ってきたヒロインが、いざエロいことされるとなったら話は別です。非18禁アニメとかのキャラのありえないエッチシーンを見るような興奮に近いものを感じつつ、いやこれはエロゲだからエロの表現はそれはそれなりにすごいのではなどとクリックしたものの、結果は・・・あくまで罰ゲームとしてのエロシーンの範疇を超えない作りで、抜くという目的に即したものではないというのが自分の感想です。
アイアンメイデンの異名を持つ小百合さんの濃厚なエロとか見たかったんですが残念です。
一番魅力的なヒロインが伝統に則った行動とはいえ、セックス禁止を謳っているという設定ですから諦めるしかないわけです。何かどんでん返しがあるだろうなんてプレイしていましたが夢破れました。小百合さんの股間の強固な壁を打ち崩すことは遂に叶いませんでした。
処女を失うと大輪女子大学女雪相撲部を退部しなければならないという規則があるため、まともなエンディングを迎える状態だと、主役のたんぽぽも含めた皆のエロシーンがないまま終わる仕様であることに終わってから気付きました。ラストあたりで、もしかしてあるんじゃないかと思っていたたんぽぽと彼氏の和姦とかが結局無かったのは逆にホッとしました。
試合に負けなければという注釈がつきますが、自分が今までやったゲームに比べてヒロインの処女生存率がかなり高いです。エロゲだからセックスしなきゃダメなのかって言われてるような、そんな気もしてきました。いや、やっぱりセックスしてくれた方が良いと思います。
☆ヒロインの魅力 16点(20点満点)
十七代目鬼百合こと大河内小百合さんがその下半身に力を込めると、鍛錬に鍛錬を重ねた28センチ砲をもへし折ることができる。まさに鉄の処女。しかし、心の中では素敵な花嫁に憧れているらしい。
大輪女子大学女雪相撲部主将としての強く凛々しい顔と、第一線を引いたあとの少しぽやぽやしたお姉さんふうの姿とのギャップが素晴らしすぎてたまりません。
三ツ葉黒が鼻血を大放出しながらサンオイルを塗りたくるのも仕方がないでしょう。背中に三ツ葉黒の大出血を浴びながらも何も気付かない小百合さん、ひょっとして不感症なのかも?
今回、彼女の処女が破られなかったのはゲーム内に相応しい相手がいなかったため致し方ないところだと思います。ですので、ひとりエッチとかそういうのがあれば良かったかなーとは思いました。
158kgが46kgになった佐萌道が、やせた割りにはあまり可愛く見えず、逆に魅力が減ったような気がして残念でした。
☆満足度その他 7点(10点満点)
エロシーンと女雪相撲描写の物足りなさが惜しい作品だと思いました。
ここまで面白いものを作ったんだからあとはエロを濃くするだけでいいのにと思いました。
何となくですが、あえてエロを拒否してるようなゲームにも感じました。
それは頑なに宝茎の侵入を拒む小百合さんの気合いの篭った姿と重なっているように感じました。
楽しめましたが、エロゲとして人にお薦めはできないなというのが正直な感想です。
ライアーソフト関連では、ボーカルコレクションCDとレイルソフトの霞外籠逗留記に次ぐ購入でしたが、個人的には買って損ではなかったです。もしも、もしも女子プロレスものが出るようだったら何も考えず予約しようとは思います。