実妹がナツイロココロログなら実姉は罪ノ光
同じ性癖の悪意と悲劇的"血族"の方たちには、「ナツイロココロログ」が実妹モノの最高傑作というのは同意いただけるところでありますが、果たして実姉となると中々思い浮かばず、だいたいが姉という属性上、エロ特化でもはやあること自体が稀有なゲームとしての立ち位置になってるような気がします。それでも2024年作「僕の好きな人の好きな人は、女装した僕でした。」は、「まほらば」でも姉妹愛を描いた姉モノライター・泰良則充が流石の腕で、可愛い弟に昔から抱いていて諦めていたものを、丁寧に表面化させた。個人的に昨年度MVP、いや姉モノとしてお勧めできる名作でした。個人的には実妹(姉)モノは第三者きっかけで
「(親と電話と話している時に)砂の味がした」(鈴√)
、先輩に「身近にいた女の子を性処理の道具にしただけ?」(祐佳√)
アニメ版ヨスガノソラで良心である委員長が嘔吐する
等、禁忌であることを再認識させられる描写が欲しいのです。今作の風香√ですが、姉弟で関係がバレると村からいじめや迫害を受けることになって、しまいには育ての親からは「今からでも遅くない。乗り換えろ」とすら言われる始末。
テーマである罪の意識に自分達から浸っていくのは、あい√で罪より重い愛で上書きしていくのとは違って、そもそも二人の姉弟愛自体が罪で、2人きりで誰もいない土地に引っ越して終わるという罪のままの逢瀬で、最終あい√と違って随分だな…と、正直ここまでは普通の血縁エロゲーかなーと見ていたのですが、ENDING後のストーリーで見事一死報いてくれたのが本作です。それは姉が妊娠して終わるということ。
自分はまだまだなので、実姉/妹が妊娠して終わるというゲーム自体あまり知らないし、そもそもそれは子供も幸せにならんだろ…と変に現実感を持ち始めてあまり好きではないのですが、このゲームは最後に「やっぱり、主人公(弟)との子供が欲しい」と言います。製作者がどういった意図で「やっぱり」と付けたのかは不明ですが、「(姉と弟だけど)やっぱり」だとすると、結局姉の風香には未だに禁忌を犯している意識が取れてないんだと。
だいたいEND後は主人公側の視点で完結するので、こういった姉側の認識が出てくるのにも驚きました。近親愛を光として見るなら、生まれてくる子供が罪だし、近親愛を罪として見るなら子供は光だし…そもそもがどっちも間違ってるし。と罪にも光にも逢瀬できるあたり、テーマ完遂してるなと思います。
前述の「やっぱり」で個人的には子供=罪ですが、
プレイヤーに後味の悪さを残してくれて満足です。