純愛。その一言に尽きる傑作。
「車輪の国、向日葵の少女」で知られるるーすぼーいさんの最新作です。
スタッフロールまでは凡作かなぁとか思っていたのですが、最後はやはり魅せてくれました。むしろ最終章の為の作品と言っても過言ではないかもしれません。
サスペンス・推理モノとして見ると結構穴がありお世辞にも「面白い」とは言えませんでしたが、恋愛モノとして見るとやはり感動が残ります。
絵は有葉さんで、時々崩れるものの相変わらずレベルの高い作画です。
BGMは大半がクラシックのアレンジで、これも文句無しの◎。オリジナル曲も場面と相俟って素晴らしかった。
片霧烈火さんによる主題歌「Answer」、彩音さんによる挿入歌「Close Your Eyes」はどちらも歴史に残る名曲だと思います。とくに「Close Your Eyes」が挿入される場面は思わず涙を誘われました。
シナリオですが、ハルルートは本当に感動した。特に最後のどんでん返しで畳み掛けるような感動に自然と涙腺が緩みました。
ただ残念なのは、逆にハルルート以外が普通すぎたところ。
浅井花音ルートは良かったですが、特に水羽ルートの投げやりっぷりは残念でした。
特に印象に残るシーンもなく、何の感慨も無いまま終わってしまいました。
ハルルートレベルにしろとは流石に言いませんが、更に延期してでもせめてもう少し作り込んでから発売してほしかったです。
シナリオの不満点を入れても、これは名作。2008年の作品の中では上位の方にくるのではないでしょうか。
ハル以外のシナリオが凡作と言っても、決して悪くはないので全員プレイすることを勧めます。
まあ最初にハルルート終わらせると萎えるかもしれませんが。