ひたすらに王道を究めた佳作
終えた感想を一文字で表現するなら「爽」。
初めは理香子ゲーかなと思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。
どのシナリオも主軸がしっかりしており、読んでいて非常に楽しめる内容でした。
個人的に好きなシナリオは理香子と翠です。
理香子シナリオは、家族間の問題が複雑に絡み合った状態から修復するまでの流れが非常に良かった。
母、妹という歯車がうまくかみ合っており、最後は感動というよりも爽快感が後に残りました。
山積した問題を一つ一つピースを嵌めていくかのような魅せ方に感心しました。
翠シナリオは、他のシナリオではほとんど触れることのなかった、サッカー部についての話です。
泣かせるような場面はありませんでしたが、宗介・翠・一志の3人の友情を描いたスポ根風のストーリーは読んでいて非常に面白かった。
他の2シナリオもテンポがよくて中だるみすることなく、また主軸もしっかりしているので苦もなく一気に読み進めることができました。
登場キャラは、ヒロイン達それぞれが個性を持っていて好感触。
個人的には翠がストライク。
サブキャラ達も、悪友や親友、良識人、子役、悪役などとしっかり役割分担できており、不要なキャラがいなかったのも◎。
キャラの頭数だけ揃えて上手く活用されないことはなかったので良かった。
OPはDuca。爽やかさが表現されていてこのゲームにマッチしている曲だと思います。
BGMはやや曲数が少なめですが、使われる場面では特に違和感はありませんでした。
シナリオにおいてはパンチ力にやや欠けるが、絵・キャラ・音楽など全ての要素が手堅くまとまっており、安定した面白さを持つゲームでした。
今後もこのブランドに期待したいです。
追記
理香子の最後の笑顔や翠の浴衣姿はやばかった