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asteryukariさんのGALZOOアイランドの長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
GALZOOアイランド
ブランド
ALICESOFT
得点
80
参照数
257

一言コメント

彼女達と共に戦い、過ごした日々が今はとても愛おしい。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いつもは敵として冒険の邪魔をしてくる女の子モンスターたち。そんな彼女達を捕まえてお仕置きするというのが馴染みのある光景であったが今回は違う。捕まえて、仲間にして共に戦うことができるのだ。そして彼女達を日々苦しめている以下大王を倒す。話はいたってシンプルだが、何とも言えないワクワク感があった。

ゲームシステムはランスⅥと近く、とても親しみやすかった。逆にランスⅥをプレイしていないと、あのマップ移動にはなかなか手間取るかもしれない。あの作品をやり込んだからこそ、角度を変えなくてもマップを見ただけでスムーズに移動ができたわけだ。ステージも既視感のあるものが揃っていて、ちょっとした懐かしさに浸ることができた。

戦闘もたまに厳しい戦いがあるものの、全体的に優しい作りになっていて、詰むなんてことはそんなにないのかなと。すぐ逃げることができるし、十分な回復手段も揃っている。おまけに大技の威力は相手を一気に仕留めるくらい高い。サクサク戦闘が終わるし、毒で粘るなんて戦いは存在しないのだ。

それもこれも戦ってくれる従魔達が優秀なおかげ。初めに手に入るきゃんきゃんだって、敵の時はただの的だが、味方になると麻痺攻撃を連発してくれる。まあ、途中からへびさんが出てくるとお役御免になってしまうのだが…。

使っていてかなり強いと感じたのはセクシーナイト、ちょーちん、バルキリーあたり。セクシーナイトの背水の陣は中盤辺りにかなりお世話になった。中にはこれを強化していなと倒せるのか怪しい敵もいたり。逆に背水の陣なんか使っているとそこを突かれて負けるなんて敵もいて、よく出来ているなぁと。ゲームバランスに熱意を感じた。

また、ちょーちんのMGカウンター。これが本当に強い。これを強化していけば道中の敵は勿論、ちょっとしたボス級モンスター、ラスボスだって倒せる。というかカウンターが強すぎて赤い運命さんは全くといっていいほど苦戦しなかった。ちょっと硬い奴程度。ちょーちんは女の子としてもかなり好きなキャラだったので愛着が湧きまくりだった。たくさんケーキやいちごを食べさせてあげたい。

そして、バルキリーは他の作品で戦ったことがあるプレイヤーならわかることだがシンプルに強い。手に入ってからはバルキリーばかり使ってしまい、それまで殴り役だったキャラは裏方に。私なんかはマグロアッパーを聞けなくなってしまった。敵の時は厄介だけれど、味方になるとこんなに頼もしいキャラはいないの典型だ。

物語についてはほのぼのしているようでわりとえぐい描写もあって、そこは流石アリスだなと。特にクラーケン絡みの話は容赦がなく、彼女の事を愛おしく思っていただけに、ショックは大きかった。あんないい感じの回想見せておいてそれは…悲しすぎる。他で救いがあるわけでもないので、ただただ辛い。クラーケンというキャラクターを見る目が大きく変わった。

ラスボスを倒した後はわりと急にエンディングを迎える。そのため物語的にどうだったかのか考えるともう少し凝ってほしかった感は否めない。しかしハーレムENDについては素晴らしかった。

元の世界に帰るも、故郷までの道のりを考え臆する主人公。そこでキャプテンバニラが言うわけだ。「お前には、私を含めた従魔達がこんなにいるじゃないか。」と。この台詞は物凄く胸に響いた。初めは敵として戦っていた女の子モンスター達が、仲間になって、共に戦って、お互いを信頼するようになる。その結果があの台詞なのだ。

その後のバトルノート、バルキリー、雷太鼓の台詞も素敵。ああ、彼女達と共に戦ってきて良かったなぁと、心からそう思った。そしてそんな冒険が終わってしまうことにちょっとした寂しさも。

クリア後にタイトル画面が賑やかになる演出も凄く好きで、自分は思った以上にこの作品を楽しんでプレイしていたのだなと気付く。今の気持ちは「GALZOOアイランド2」を出してほしい、ただそれだけだ。