多くのキャラクタ―が登場するにもかかわらず、それぞれが霞むことなく自分の色を持っている。そこが素晴らしかったなと。続編への期待値も非常に高い。
物語は主人公が病院から退院したところから始まり、空をはじめ天音、紅葉…と主人公と交流があるであろうキャラクターたちが次々に登場する。交流があるのは同学年の友達だけでないらしく、先輩や先生など幅広い層のキャラクターとの会話が存在した。序盤読み進めていて感じたのは本当に魅力的なキャラクターに溢れていること。
天音が最重要ポジションであることは言わずもがな、紅葉は良き友人らしいムーブをしてくれるし、先生こと瞳はビジュアルがいいだけでなくキャラが立っていたり...。数時間で好きになるキャラクターが無数に存在した。中でも先輩(主人公たちと同級生)である翼はとても私好みのキャラクターをしていて、主人公たちも彼女の扱い方を熟知しているのが嬉しかった。不良気取りなのに頼み事には弱い...そんな根が真面目な翼先輩はかなり好印象なキャラクターだった。
物語は一水というこれまた魅力を秘めていそうな美少女との出逢いのところで幕を閉じるわけだが、事故の話なんかも出てきてこれから核となる物語が始まることを予感させる。ようやく天音ちゃんについても深掘りがされていくのかなと思う。ここに至るまでの日常パートが非常に良かったので、この先に待ち受けているであろうシリアスパートに一抹の不安を感じたりもするが、良い内容になることを願っている。
何はともあれ序章としてかなり良く出来ていたと思う。同人ノベルでこれだけ色々なキャラクターを出してきて、しかもそれぞれに魅力があるのは実はすごいことだと私は思う。次作がいつになっても待ち続けたい。