ErogameScape -エロゲー批評空間-

asteryukariさんの戦巫〈センナギ〉―穢れた契りと神ころも―の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
戦巫〈センナギ〉―穢れた契りと神ころも―
ブランド
Escu:de
得点
70
参照数
3322

一言コメント

育成及び戦闘システムはかなり簡素で、面白味こそないがストレスもなかった。また、敗北時の救済措置も完備なので、全体的にかなりユーザーに優しい作品に仕上がっていた。夜魔たちとの絡みがもう少しあると嬉しかったかなと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


戦巫女調教育成SLGということで、ヒロインを調教することによって各種ステータスを向上させていくというシンプルなシステム。言ってしまえば作業ゲーそのものなのだが、調教の組み合わせによって新しいシーンが解放されるなど、それなりに飽きさせない工夫は凝らしてあったと思う。私なんかは突然、好きな体位が解禁されて少しだけ嬉しくなった。

で、戦闘システムに関しても相変わらず行動順に自動で戦っていくタイプのもので、見た目は変われど過去作をやったことのあるユーザーであればまあすぐに慣れる。少し前のエスクードに戻ってきたというか、そんなに時は経っていなのに何だか久々な感じがして、それなりに楽しんでやっていた。

敏捷力と攻撃力を上げてぼこすか殴るのも良し、防御力を上げて必殺技を繰り出すと同時に一気に崩しにいくのも良し。また、終盤の戦闘力70クラスになると支援で自動回復してきたりもするため、その際には支援を先に潰したりする必要があるなど、簡素ながらやれることはそこそこある。

また、万が一負けてしまっても、ストーリーに関わる重要な局面であれば敵のステータスが大幅に下がった状態で再戦もさせてもらえるため、詰まるといったことはないだろう。この辺の仕様は過去作と比較してもかなり優しいなと感じる。


とまあ、システムについてはこんな具合で面白さはあまりないものの、楽しもうと思えば楽しめなくもないくらいの出来だった。何よりは私は少し懐かしさを感じつつプレイしていたので、そういった意味でも実は楽しませてもらった側かもしれない。

そして、シナリオについては王道且つ優しい作りになっており、最初は敵だった四夜魔といつの間にか一緒に生活しているのが何だか微笑ましかったし、エスクードらしかった。エルなんかはそれが顕著で、初見はもう手が付けられないクソガキだと思ったが、最終的には主人公サイドの屋敷でもぐもぐとお菓子を食べるだけの存在になっていて、思わず頬が緩んだ。

また、序盤から好印象だったサーリャについては物語が進行するにつれて、更に良いキャラクターになっていった。印象深いのがエルとムツが抜けた際のシャルロッテとの会話で、一人でも十分だと突き放そうとした彼女をしっかりと掴んでいた。地味ではあるけれど、彼女らしい母性溢れるワンシーンだったと私は思う。四夜魔延いては作中で一番好きなキャラクターかもしれない。



最後は少し安っぽい展開になってしまったけれど、まあここのブランドらしいとも言える。調教ではなく恋人としてのえっちを入れてくれたのも嬉しかったなあと。期待していた調教シーンはそれなりに質が高くて、また心から好きになれるキャラクターにも出逢えたので、気持ちとしてはだいぶ満足している。次作も楽しみにしています。