本編で培ったキャラクター同士の関係性がしっかりと生きており、彼女たちにする想いが一層膨らんだ。物語も前作とは違い、読み進める楽しさがあった。
舞台は毛利との戦から始まるということで、前作のように鬼が出てきて倒すをひたすら繰り返すんではなく、しっかりと人と人との戦いと対話が描かれていた。敵対心剥き出しの集団の中で一人を懐柔し、徐々に全体を説得していく様は本編を思い出させる。個人的に元就が終盤まで粘ってくれる点が嬉しかったなと。織田をあれだけに組んでいた彼女だ、たとえ一人になろうと諦めはしない、その姿勢が実に良かった。
また、例によって新キャラよりも既存キャラの活躍が目立っていた点も嬉しい。何より今作は剣丞隊が大活躍だったので、剣丞隊のキャラが好きな身としては大満足の内容となっていた。詩乃が相変わらずメインヒロインな振る舞いをしてくれるのは勿論、雫との関係性も本編に引き続き描かれているのが良い。戦場では自らに任された責務(詩乃の仕事)を全うし、拠点では親友の回復を祈り続ける。そのどこまでも純粋な彼女の愛に涙が出そうになった。
あとは自分の好きな梅にもしっかりと出番が用意されていてホッとした。
「また近いうちに、ふたりの時間、作ろうな」
「ええ。でも...次は、詩乃さんや雫さんも」
「わたくしは、十分愛していただけましたの。しばらくは、これで頑張れますわ」
本編終盤でイイ女だった彼女は、やはりイイ女のままであり、もっと好きになってしまった。戦場ではオホホオホホ言いながらしっかり敵を圧倒してくれるし、欠点が見当たらなくて困った困った。
そして、引きのいい終盤もまた本作の魅力の一つだったと思う。いつも通り平和になって、新キャラたちとのえっちシーンを消化して終わりかと思いきや、今回はそうではなかった。まだまだ物語が続く事実に、心から喜びを覚えた。加藤は正直、もうそろそろ退場願いたいが...笑。
あとは終盤に久遠が幻に翻弄され、冷静さを失う描写も実に彼女らしくて良かったなと。あれが幻でなかったらもっと良かったのだが、それだと物語が終わってしまうので...。久遠だけでなく、他のヒロインの剣丞を失った際の反応も見てみたいところである。美空なんかは裏で泣いてくれそうだ。
EX1,2をプレイした時点では面白さはあまりなく、こんな感じでダラダラと続いていくのかと思うと不安にもなったが、新章に切り替えてきたのでまた希望を抱くことが出来そうだなと。私の好きなキャラクター達の一層の活躍を祈っている。