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asteryukariさんの極限痴漢特異点3 千年の劣情の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
極限痴漢特異点3 千年の劣情
ブランド
アストロノーツ・シリウス
得点
72
参照数
1941

一言コメント

相変わらずスタイリッシュな痴漢を体験させてくれる作品に仕上がっていたが、過去作と比較すると最初から堕ち気味の女が多く存在した。そのため堕とす喜びを期待した身としてはやや不満が残る。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


痴漢シリーズ第三弾ということで、今作もまた主人公は続投であり、カメオことしずくちゃんも続投である。しずくちゃんはビジュアルも立ち位置もかなり自分好みなので嬉しいかぎりだ。

例によって五人のヒロインを順番に攻略していき、最終的に大きな敵と戦うといった流れになるわけだが、まずはヒロインパートについて語っていきたいと思う。今作のヒロインは傾向としてかなり堕ちやすい…というかはじめから堕ち欠けている子が多く、これまでもそういったヒロインは用意されていたわけだが、今作に関して言えば五人中四人がそのタイプであった。

主人公がとんでもないイケメンなので堕ちやすいのはもはやシリーズ恒例なのだが、本作は一回目の痴漢で既に主人公の事を好きになってしまっていることが多く、正直そこにモヤモヤしてしまった。痴女が最初から好意的なのはまあわかるが、それも一人、二人でいい。

攻略順としては左から順番に奏恵、蘭世、依桜里…とやっていったわけだが、最初の三人を攻略した時点で感想は虚無そのものだった。痴漢したら先生と慕われるわ、チカン部とかいう謎の研究会に所属している女はいるわでなんだかすごく冷めてしまった。真面目で気丈で、キッと睨んでくるようなヒロインはどこにいってしまったのかと少し涙が出そうになったくらいだ。

また、痴漢も一、二回目で主人公ではなくヒロインが主導権を握るパターンが多く、これもまた一部であれば興奮モノなのだが、どのヒロインもやってくるので思わず首を傾げてしまった。主人公がその辺の素人にひいひい言わされているはどうなのかなと。かっこよかった主人公が急に情けなくなってしまって、気分も下がった。


といった感じでヒロインパートは不満が多く残ってしまったが、りみかに関しては中々悪くなかった。メンヘラ地雷系配信者ということで癖が強そうな女だなと思ってはいたが、主人公の甘いマスクに騙されず、かなり敵対心を剥き出しにしてくれたの凄く良かった。おまけに通報を仄めかして撃退したり、自身の配信活動の為に主人公を嵌めたり…ここにきてようやく骨のある女が来たなと歓喜した。

前作ヒロインである伊澄との関係性もなかなか面白くて、主人公との関係が深まるにつれて彼女に悪い事をしたと反省したり、彼女が主人公を頼って理由がわかるなど言い始めると、もうめちゃめちゃ素直で可愛い女の子に大変身していた。あんないい子になった女の子を箱舟に乗せるなんてことできるはずもない(箱舟ではオタクに和姦ではなく、強姦されてほしかった…)。

前作といえば伊澄の他にアーンナとリーザ等が登場していた。特にリーザちゃんに関してはシリーズでも一二を争うほど好きなヒロインなので個人的にとても嬉しかった。扱いはおまけ程度だが、未だ主人公と婚約する気満々だったり、人としての成長が垣間見えたりと、彼女を改めて好きになる要素が詰め込められていたので、それなりに満足感があった。

アーンナもただのくっ殺騎士で終わらず、元トップの力を敵幹部に示していたのが良いなと。ショタを射精させるシーンがしっかりと用意されているのも嬉しいが、かつての敵が頼もしい仲間になる展開がシンプルに嬉しかった。



メインストーリーであるモンデルーンとの戦いについてはそこそこ良かったと思う。というのも先ほど触れた通りシリーズモノの良さが出る展開が用意されていたのは嬉しかったし、摩由璃やアシュリーといった敵キャラクラ―にもそれぞれ好きになれるバックグラウンドがあって、「痴漢の手」事件が解決した後の読後感もそれなりに良かった。

ただ、それだけでは終わらないのがこのシリーズで今作ではまた謎の伝承を絡めてきた。中身自体はまあ悪くなかったのだが、これを絡めたことで良い作品になったのかと考えるとやはり微妙なところである。緊張感も感動もない、そんな終わり方を避けるために用意してくれたのだろうが、私としてはモンデルーンの一件が片付いて終わりの方が作品の雰囲気が崩れなくて好きだったかなと。これは前作にも同じことが言える。





続編を匂わせるラストにしてきたあたり、この先も続いていくのだろうと思うが、次作は冒頭にも述べた通り痴漢のしがいがある女と多く準備してきてほしいというのが私の願いである。真面目で仕事熱心で、けれど最後にはメロメロになっている。そんな思わず口角が上がってしまうような女が欲しい...。