シーン的にもお話的にも物足りなさが残る一作だったが、いつも通り黒い路線で進行していく点は評価できる。
かつては人気上昇中のアイドルだったが、枕営業を断り続けた結果、仕事がなくってしまった。なかなか重い走り出しだったが、その後にすぐ枕営業より酷いことになりそうな仕事を選んでいて吹いてしまった。しかも一回目から脱ぎ始めるから驚きだ。個人的には回を重ねることで徐々に羞恥心が薄れていき、その結果脱ぐみたいなことをやってほしかった気持ちもあるが、そんなゆっくりしている場合でもない。ライバルがいるのだから。
話の中身はいたってシンプルで、自分の身体を売ってフォロワー数を稼ぎ、ネット配信アイドルとして大きくなっていく少女の物語が書かれている。時には配達員さんを巻き込みながら、配信で人気を勝ち取っていく。そんな面白味もなければ、感動もないお話である。終盤になると選択肢も出てくるわけだが、BADの方が思った以上にぬるかったなというのが正直な感想である。
TRUEの方はまあ、落ち着くとこに落ち着いたなと言った感じで、すっきり感はないけれど別に否定する気持ちもない。端的に言えばありふれた結末だった。だからこそBADには期待したのだが…どうせなら薬を決めておかしくなるくらいまでやってほしかった。
また、シーンについても量、バリエーション共に少なめなのが痛い。過去作同様、塗りは抜群に良いので、話よりもむしろそこに力を入れてくれた方がプレイヤーとしては嬉しかったかなと。まあ、この価格帯でこの枚数は普通かもしれないが、もう少し頑張ってほしかったかなと。
ただ、芽衣が悪女的なポジションかと思いきや、お姉さん気質の凄く良いキャラしていたのは個人的にプラスだったかなと。TRUEの時も彼女がいなかったらきっとどこかで躓いていただろうし、美人でスタイル抜群で面倒見も良い彼女こそが私にとってのメインヒロインだったなぁと思う。真面目で努力家な彼女が、裏で枕営業を重ねながらアイドルとしてのし上がっていく。そんな物語も見てみたかった。