えっちなのは大前提として、女の子らしさも充分に詰まった良作。淫乱な女達を見事、恋する乙女達へと変えていってくれた主人公にただひたすらの感謝を…。
アトリエかぐやさんの新作という事で先月、今月、そして来月と三か月連続で新作を出してくれるのは本当に流石というか何というか。嬉しい一方で手抜きになっていないか不安も少しあった。今作は大好きな原画担当であるから特に。しかし、心配など一切要らなかった。というかここ二年くらいのアトリエかぐや作品で一番良かったのではとすら思う。
本作はタイトルの如く姉とその友達に囲まれながらえっちで賑やかな生活を送っていこうといった感じで、コンクールに出展する小説を完成させる名目でヒロイン達とえっちな関係になっていく。意外なのは個々の独占欲が結構高めな点で、いつも仲良くしている彼女達だが、仕掛ける時は主人公と一対一の状況を作ってからというのが何とも器用で可笑しかった。
今作のヒロインは姉とその友達二人、そして先生の計四人であり、その全てが年上。なので、設定を見た時は、ひたすら年上のヒロイン達にリードされていく、おねショタ的な側面を持った作品になるのかなと思っていたが、そうではなかった。関係が親密になっていくにつれてヒロインが本気で主人公の事が好きになっていき、主人公が嫌がることはしないし、主人公ために尽くすようになっていく。これがかなり嬉しくて、ただえっちなだけでなく、恋愛モノとしても読めるような、想像以上にしっかりとした作品に仕上がっていた。
なぜ、彼女達がそんな尽くす女になっていったかと考えると、それはやはり主人公が魅力的だったからだろう。外面が良いだけでなく、内面もイケメンでヒロインがときめくような台詞さらっと口にしてしまう。ヒロインがチョロいのは勿論あるが、読み手の目線でもかっこいいなと感じる瞬間が多々あった。瑛巳、莉愛ルートなんかは特に。なので好きなルートも自動的にこの二つになる。
莉愛ルートはかなり早い段階で莉愛が主人公の男としての魅力に気付き、べったりになっていく。先輩なのだが、精神年齢は主人公に一番近いのではないかなと。だからこそ小悪魔感があるわけで。シーンの多くが誘い受けで、扇情的な態度で主人公を誘っては幸せな表情を浮かべていた。特に合宿の場面はとても印象的で、すごく楽しそうに幸せそうにしている莉愛ちゃんがもうえっちで可愛くて大変だった。
瑛巳ルートも弟くん大好きお姉ちゃんといった感じで、主人公の不意な一言に赤面してしまう可愛い瑛巳ちゃんが見られる。自身の所有物であると周りには宣言しておきながら、実は昔から弟が大好きなんて、そんなの可愛すぎるだろう。兄妹という関係で少しシリアスになるかなと思いきや、持ち前のギャルパワーで親の反対を押し切ってくれたのでほっとした。その時の抵抗の様子が何とも子供っぽいというか、そういった一面も彼女の大きな魅力である。
あとは由依子ルートなんかもギャグ的な意味で楽しかったなぁと思う。はじめは真面目な教師として振舞っていたが、段々と化けの皮が剥がれてきて、遠慮がなくなるとお姉ちゃんたち顔負けの乙女っぷりを見せることになる。身体を重ねた際に主人公の寸法を把握し、水着をプレゼントする所なんかは恐怖のそれで、見事なまでの行き遅れ女さんっぷりを余すことなく見せてくれた。自分が重い女だと自覚しながら、怯えつつ結婚を迫ってくる場面なんかはもう可愛いとしか言いようがない。早く貰ってやってくれと、いつの間に彼女のことが凄く好きになっている自分がいた。
軽く振り返ってみても笑いと愛に満ちた素敵な作品だったなと感じる。シーンについても巨乳を生かしたプレイが豊富にあるのは勿論、ヒロインの性格に合わせたシチュエーションもあったりして、満足度はかなり高かった。この調子で次回作もよろしくお願いします。