ゲーム要素が必要あったかは疑問だが、人妻恋愛モノとしては及第点かなと。徐々に関係がしていく感じが丁寧で良かったなと思う。
アリスソフトの新作であり、ファンタジーな世界観を舞台に人妻との真剣な恋愛を描かれている。ちなみに本作の「純愛編」とは別に「寝取られ編」が存在するが、寝取られ編の評価はここでは含まない。
魔力抑えきれなくなった青年「獅音」が、村の回復術師である「瑠衣」に治療という形でえっちな手ほどきを受け、そのままずぶずぶと深い関係に陥っていく。流れだけ見れば何の珍しさもないが、その辺のやりゲーとはだいぶ違う。まずは手でして、ある程度関係が深まったら口でもしてあげて、お互いの気持ちを確認した上でようやく本番の日を迎える。そんな風に徐々に関係がステップアップしていくのが丁寧で良かったなと思う。
瑠衣は序盤こそやや堅めの女性な印象だったが、話が進行するにつれて女の子の部分が見えてくる。最終的には人妻なのに乙女みたいな表情を浮かべたりと、ちゃんとヒロインになっていった。また、彼女の夫の蒼夜も主人公とヒロインの関係に踏み込んでくるようなタイプではなく(多少は踏み込むが)、故に純粋な人妻恋愛が楽しめたのかなと思う。まあ、それが寝取られ編で悪影響を及ぼしてしまったのだが...。
また、本作にはアリスらしくゲーム要素も存在する。ダンジョンに潜り、経験値をためることで話が進行していくわけだが、全てオート戦闘で、ゲームオーバーになることもないので特に楽しさを覚える瞬間はなかった。こんなあってないようなゲーム要素なら、いっそなくしてしまった方が話のテンポも自然になってよかったのではないかなと。期待はしていなかったものの、それでも残念過ぎる作りだった。
といった感じで人妻恋愛モノではあったが、感動や驚きといったポイントはなく、またゲーム要素も個人的には不要だったかなと。あの頃のような胸が滾るRPGを出してほしいものだ。