相変わらずお茶目な兎咲ちゃんは可愛らしいし、冬のイベントならではの恋人らしいやりとりがいくつも詰まっている点も素敵。本当にお似合いのバカップルだなぁと思う。
前作は夏休みだった今作は冬休み。前作では主人公が帰省する形でヒロインと再会を果たしたが、今作では恋人に会うためにヒロインが主人公の下へとやってくる。そんなちょっとした変化がなんだかとても温かく感じ
た。
偶然かそれとも狙ったのか二人の再会は本作の発売日と同様の「12月24日」。つまりクリスマスイヴということで、序盤から雪をも解かすような恋人らしいやりとりを次々と見せてくれる。お洒落なビルでディナーを楽しむのではなく、コンビニで値引きされたケーキを購入し、家で談笑しながら食べることに選ぶ。それが何ともこの二人らしくて、ついつい笑みが零れてしまった。
一度えっちに火が付いてからはもう止まらないといった感じで、クリスマスの半分をえっちで過ごしたかと思ったら、今度はお風呂掃除した後にもやり始めたりと、とにかく性欲に忠実な光景を見せ続けてくれる。前作でもそうだったが表情のギャップが好きで、普段は「にひひ」と笑う彼女が、えっちになると途端にしおらしくなっていくのがとても良い。
その後も大晦日、お正月と冬のイベントを過ごしていく中で、恋人らしさ溢れる光景をいくつも見せてくれるわけだが、その中で二人が幼馴染であることを思い出させてくれるエピソードもしっかりと入っているのが嬉しかった。昔と変わらないけれど、変わらないところがずっと好きなんだと、まさに理想の幼馴染カップルらしい回答をしてくれて、読み手としても凄く心が満たされた。
そんな感じで最後まで恋人らしさ満点の熱々のバカップル劇場を見せつけられるわけだが、兎咲ちゃんがとにかく可愛いので最後まで楽しく読みことが出来る。特に主人公が風邪を引いてしまった際のやりとりの破壊力は抜群。なんだ「ふーふーして、あーんって、してあげることができないじゃない!」って…可愛すぎにもほどがある。
結局、最後までえっち尽くしで終わるのも彼女達らしいというかなんというか。しかしながら二人にとって最も大切なこと、したい事はなんなのかと考えるとまあ当然の結果なのかなとも思う。何より自分たちに呆れながらも決して後悔はしていない、むしろ幸せそうな表情を浮かべている兎咲ちゃんを見て納得しないわけにはいかない。バニー姿が見られて良かった。
二人のコイヤスミはいつまで続くのか、きっといつまでも続くのだろうし、やがてヤスミではなく日常へと変化していくだろう。その過程を見られないのは少し残念だが、正直もうお腹一杯だと感じる自分もいる。本当に最初から最後までおバカで恥ずかしくて、とっても幸せそうなカップルだった。