前作同様に笑いの絶えない作品でした。期待以上にネチネチしていて、それが本当に良かったです。
前作の続きであり、今後は看護師たちの中でも更に上位の、看護師達すらも恐れる存在「お局」たちをメインに据えた話が描かれている。今回も例によって原作を読破済みなので内容は知っているのだが、そんな状態であっても笑わずにはいられなかった。
まずはヌマジリさんについて。
ヌマジリさんは搾精病棟シリーズの中でもかなり好きなキャラクターで、彼女のネチネチっっぷりがゲーム版でどう表現されるか、ちゃんとネチネチしているのか、プレイ前は少し不安だった。けれど、いざやってみると即座に笑ってしまうほどにはネチネチしていて、キャスティングも素晴らしかった。特に嬉しかったのがネチネチの歌をしっかりと歌ってくれた点。声色は綺麗なのに、歌の中身が終わっていて笑いが止まらなくなってしまった。
あとは原作で好きだったコンビニ店員との一件も削らずにしっかりと入れてきてくれたのが良かったかなと。アイザワさんが不憫でならないし、そんな彼女にまるで呼吸するかのように罵声を浴びせるヌマジリさんが本当に…最高なのである。完璧なヌマジリさんを見せてくれた、それだけでもう今作への印象は良かった。
次にキリタニさんについて。
超腹黒ナースことキリタニさん。ビジュアルだけ見れば他の作品でメインを張れる可憐さだが、大きな毒を隠し持っている。それに気づかず主人公は彼女の毒牙にかかってしまうわけだが、このお話で本当に面白いのはキリタニさんでもヤマダでもなく、クロカワさんだ。
タチバナさんの時と同様に、クロカワさんが調子に乗り出すとそれはもう笑いの波が押し寄せてくる合図。クズのような笑みからやがて子供のような泣き顔に変わる様を見て、笑いを堪えることなどできなかった。本当に被害者面が得意すぎだこの女は…。
最後のテンドウの話は原作でもあまり楽しめなかったので、まあ案の定といったところだったが、ヤマグチさんやタチバナさんが株を上げてきて(クロカワさんは相変わらず…お前はそれで良い)、これまでとは違った楽しみ方ができたのは良かったかなと。ヤマグチさんを神代岬さんにしたのは本当に英断だったと思う。「見直した」の言い方なんかキャラクターにぴったりだった。
次作がいつ出るのか、考えるだけで自然と口角が上がっていく。内容を知っていてもこれだけ楽しめるのだから凄い。次も上質な笑いを届けてくれることを祈っている。