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asteryukariさんのさくらの雲*スカアレットの恋の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
さくらの雲*スカアレットの恋
ブランド
エンターグラム
得点
85
参照数
1634

一言コメント

追加要素目的でプレイしたわけだが、なんだかんだ本編の方も楽しんでプレイしてしまった。所長と再会できたことを大変嬉しく思う。追加エピソードについて感想を少し。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

2020年の9月に発売した「さくらの雲*スカアレットの恋」の移植版ということで、プレイしてから1年と少し程度しか経っていないこともあり、はじめは購入する気がなかった。しかしよく見たら新規描き下ろしエピソードがあるとの記載があり、しかも登場人物的に本編の後日談っぽいではないか。こんなの見過ごすわけにはいかないと思った瞬間には既に購入済となっていた。

ここからは主に気になっていた追加エピソード「令和のフェアリーテイル」についての感想を語っていく。ボリュームとしては一時間半程度で読み切れるようなもので、凄く良かったとまでは言わないが、少なくとも所長の事を好いているユーザーには嬉しい仕掛けがあったかなと。無論、私も所長のことは大好きなのでつい泣きそうになってしまった。



まずはマリィちゃんについて、本編のエンディングで「生意気に成長する。」と書かれていただけあって、レベッカと比べると非常におてんばな女の子だった。もしかしたらレベッカも幼少期はあんな感じだったのかもしれないが、それにしても快活という言葉がよく似合う可愛い娘だった。そう、本当に可愛くて仕方がないのだ。

テレビで見た言葉をすぐに口にすることから口調はやや乱暴に感じるものの、愛らしい容姿と相俟ってその全てが武器になる。彼女が喋る度に笑顔になるし、彼女が笑顔になると今度は胸が温かくなる。本当に見ていて飽きない女の子だった。


逆にレイカは不要とまでは言わないが、あまり登場機会に恵まれなかったのでそこは残念だったなと思う。遠子と繋がりがある点は嬉しかったが。



そして、最後の墓参りはまあやってくれたなぁという感じで、嬉しかったのが「霊を信じるな」という台詞を意識してくれたこと。会話をしてほしいと、そう願うユーザーも中にはいるかもしれないが、私はあのやりとりこそが最も二人らしいと思う。あくまで神様が気まぐれで覗かせてくれた、都合のいい幻影だと。そう自分に言い聞かせているのが切ないけれど、とても嬉しかった。



といった感じで短い中にしっかりと喜びが詰まったお話だったなと。変に過去のエピソードを追加するとかではなく、後日談だけに絞って書いてくれたのは良い判断だったと思う。改めてさくらの雲*スカアレットの恋という作品と、そしてレベッカ・クルーガーという女性を好きになった。