その内容の薄さに諦めを感じる瞬間もあったが、流石は魔法戦士シリーズ。最後までやり切って本当に良かった。
レムティアナイツ2ということで、魔法戦士シリーズが好きで、その中でもレムティアナイツが最も好きな自分としては期待せざるを得なかった。事前情報でスイートキッス、スイートパッション、シンフォニックシュガーが登場することは知っていたので、その辺の絡みはかなり気になっていた。また、敵側にも顔馴染みの奴らが出てくるかもしれないなと、もしかしたらメッツァ―様の封印が解かれるかもしれないなと、本当に様々な妄想をしながら本作の発売を待っていた。
で、プレイしてみた感想だが…良かった。レムティアナイツと違い、敵視点で話が進行していく事はあまりないので、敵側の戦略等は見えてこないし、そもそも戦略なんてものもない。加えて歴代の魔法戦士たちはそれなりに戦ってから凌辱されるのが常だったが、本作の魔法戦士たちは違う。戦う意志すら見せずに凌辱パートに入ったりすることが多々あるので、そこも残念だったなと。おまけに序盤の時点で既に心が快楽に支配されかかっている。
といった感じで序盤から中盤にかけてはおいおい大丈夫かと、これが俺たちの好きだった魔法戦士かよと、不安とちょっとした憤りすら生まれていた。特にレムティアシータの方は魔力の影響を受けやすいせいか、行為の後も余韻に浸っているような描写がいくつもあった。これじゃあもう某感度3000倍忍者たちと変わらない。
また、助っ人にきたスイートキッス、スイートパッションも活躍の場を見せることなく、即エニグマたちの毒牙に身を委ねる事となる。かつてのあの戦いは何だったのかと、そう彼女に問いたくなるほどにあっさりと懐柔されていて、軽い失望を覚えた。もうあの頃の輝きは失われてしまったのだろうなと思ったほどに。
しかし、とある上魔が召喚されることで作品全体の流れが一気に変わった。いや、輝き始めたと言っていいかもしれない。カウセスやプランテスといった上魔たちもそれなりに目を引いたが”アイツ”ほどではなかった。かつてメッツァー・ハインケルに従っていた悪魔「ディラック」は他の上魔とは格が違うのだ。
ディラックは以前にもエクストラステージ2でラスボスとして立ちはだかった上魔だが、まさかまさかの今作でもラスボスとして魔法戦士たちの前に立ちはだかってくれた。その存在感は流石の一言で、彼の立ち絵を見た瞬間に思わずにやけてしまった。ようやくレムティアナイツ2らしくなってきたじゃないかと、本当に楽しくて仕方がなかった。
実際に今までの敵とは比べものにならなくて、そんな雑魚たちに苦戦していた魔法戦士たちをまるでお手玉のように弄んでいた。五人の中でも比較的実力者であるシンフォニックシュガーでさえも、彼の手にかかれば風船のように操られてしまう。
嬉しかったのが過去の記憶もしっかりと受け継いでいる点で、レムティアナイツで一度悪の手に墜ちた魔法戦士たちの事について触れていたのが非常に嬉しかった。シンフォニックシュガーが本当に嫌な記憶を思い出したかのような表情を浮かべているのが実に良い。
ただ、仮にも魔法戦士を名乗る者たちがこのまま終わるはずもなく(BADでは終わるが)、レムティアシータが覚醒してからは中々に熱い展開が待っている。
特に素晴らしかったのがスイート組の支援で、かつてディラックと戦ったことのある彼女達だからこその攻撃に軽い感動すら覚えた。きちんと経験を武器にしてくれたわけだ。凌辱パートでは腑抜けに見えたが、やはり彼女達は立派な魔法戦士だった。魔法戦士の積み重ねてきた研鑽が巨悪を討ち取る、その気持ちが良すぎる光景に酔いしれてしまった。
中盤はもう魔法戦士シリーズでも駄目なのかと、不安と虚無感に苛まれながら読み進めていたが、私の信じた魔法戦士たちが最後はしっかりと見せてくれた。冷静になって振り返ってみると、興奮したのは終盤の一時間にも満たない部分であり、これがレムティアナイツの続編かと言われるとなんだか物足りなさもある。しかしながら、興奮したのは事実であり、それもシリーズの良さを生かしたモノだったので、気持ちとしては大変満たされている。
シーンについても私の好きな市民を巻きこんだシーンが豊富に揃っており、ヒロイン達の表情の切り替わりも中々見応えがあったので、かなり良かったかなと思う。最近の新作になれているとやや古臭さを感じはするものの、シチュエーションは流石といったところ。バイブがやや多めな点以外は概ね良かった。
次に魔法戦士シリーズが出るのはいつになるのかわからないが、やはり続きモノは作品の強みなので、これからもコンスタントに出していただきたい。そして、いつの日かメッツァー様が再び魔法戦士たちの前に立ちはだかってくれたりすると尚嬉しい。
この度はレムティアナイツ2を出していただき、誠にありがとうございました。