言ってしまえば異世界ヒロインといちゃいちゃする作品なのだが、ヒロインの性格のおかげか、退屈に感じる事はあまりなかった。主人公が最後に選んだ答えも非常に良い。
コンビニに入ると異世界に来てしまっていたというロケットスタートな導入だったが、この手のジャンルの作品にはよくある話なのでそんなに驚くことでもないのかなと。そして、そうやって雑に主人公を召喚したのが本作のメインヒロイン「エロース=ストロベール」。こうやって文字に書き起こしてみると尚更思うが、まあふざけたネーミングだ。実際に身体もエロエロだから笑ってしまう。
名家の生まれながら落ちこぼれで魔法が使えない上に怒りん坊ということで、少し癖のあるヒロインだったが、だからこそ退屈な日常にならなくて済んだのだと思う。はじめは喧嘩ばかりしていた二人だが、協力して敵を倒したり、共に生活したりしていくことで段々と距離が縮まっていく。そこまで王道で良いなぁと思っていたのだが…いきなりヒロインが自慰しだして困惑してしまった。
そして、その自慰事件をきっかけに二人の仲はぐんと縮まり…というかぴったりとくっついてしまう。欲を言えばもっと冒険などを見せてほしかったし、その過程で恋心を自覚するといった流れが良かったと思うが、一方でエロゲらしくて良いなとも少しくらいは思う。ヒロインの身体目当てで本作を読むのであれば何ら不快には感じないだろうし、違和感だってないだろう。
くっついてからはスライムを利用してえっちをしてみたり、出先で開放的なえっちをしたりと、まあえっち三昧冒険なんてそっちのけな内容となっていたが、いかんせんエロースちゃん身体つきがやらしいので気分としては悪くなかった。あんなに怒りん坊だった彼女が、笑顔で主人公に甘えるようになっている。即堕ちともいえるその光景を見てつい笑いが零れてしまった。幸せそうでなによりだ。
で、最後はお決まりの展開が待ち受けているわけだが、その時に出した主人公の答えが非常に良かった。そっちの道を選ぶこと自体はさほど珍しいことではないのだが、何でも叶えられるという状況下で迷わずスパッと言い切ってくれるのはとても気持ちがいい。堕落した生活を送っていた主人公もいつの間にか一人の女を愛せる男になっていたわけだ。
総括としてはまあありがちな話だし、ヒロインが特別気に入るとこではないかぎりは手放しで褒めるようなことはないだろうが、かといってひたすらに虚無な時間に感じる事もなかった。あくまでヒロインとのいちゃいちゃ劇を楽しむ作品。