前作で助走をつけていたのもあって、初っ端からセンパイの猛攻が止まらなかった。話がそれを引き立てていたかはイマイチだが、とりあえずは可愛くて幸せそうな先輩が見られたので良かったかなと思う。
前作にて思い出の女の子であるとわかった双鳩センパイ。その事実を踏まえて彼女のこれまでの行動を振り返ると、感慨深いものがあるし、一刻も早く幸せになってほしいとも思うようになる。そんなわけで本作をプレイする瞬間が楽しみで楽しみで仕方がなかった。
実際にプレイしてみると双鳩センパイから繰り出されるパンチはまあ強烈で、台詞も可愛ければ行動も可愛い。そして勿論、見た目も最高に可愛いという可愛い尽くしな内容となっていた。特に印象的な部分は告白間際のやりとりであり、いつもは揶揄いの意味で使う好きが、想い人へ伝える好きに変わっていく様は眺めていて非常に心が和んだ。
そして、事後には「私のものだよっていう印」のためにキスマークを付けまくると来た。おいおい、どこまでかわいいだよこの人はと、あきれ笑いを浮かべてしまった。こんなえっちな台詞を口にしながらも、表情はとても幸せそうだった。
付き合った後はしばらくの間えっち成分多めの初々しいやりとりが続くが、中盤辺りになると双鳩センパイが隠してた悩みに触れることになる。そこからの内容は正直面白いとは言えなくて、なんというか少ない材料を必死に膨らませたようなふわふわとしたものだったが、主人公の彼女に向ける想いの深さは描かれていたので、そこだけは本当に良かったと思う。
また、気になっていた双鳩センパイが主人公の事を好きになったきっかけについても、ちゃんと彼女の視点でしかも回想付きで書かれていたのは凄く嬉しかった。自分の事を忘れてしまった後でも、自分の願いは変わらず叶えようとしてくれている。それに対する感謝の念と好きな事に真っ直ぐぶつかって前に進んでいける力を持つことへの憧れ、その両方があったからこそ彼の事を好きになったわけだ。これだけ明確な理由で人を好きになっているのだ、そりゃあ好きの度合いも桁違いだろう。
そして、これだけ強い想いを抱えながら前作、前々作では他ヒロインに主人公を譲っていたと思うと胸がきゅっと締め付けられる。本当に最後を飾るに相応しいヒロインだった。
アイドル規約関連や祖父の存在など、不満を感じる部分もいくつかはあったものの、望んでいたものは詰まっていたのでまあこんなものかなと。あとは単純に双鳩センパイが可愛いかったので心は充分満たされた。お姫様だっこがあんなに似合うとは...流石はお姫様だ。